お世話になりました。11/08(土) ; FPフォーラム 2025 in 長崎

万が一死亡・病気・けが・介護など人生の不測の事態に備え、生命保険に加入している人は多いでしょう。しかし、突然『家族や兄弟姉妹が亡くなった』『親が認知症になった』..その際『どの生命保険会社に、どんな生命保険の契約があるかわからない』と保険金や給付金が請求できないことも…。
そのようなときに、一度の問い合わせで契約の有無を確認できる【生命保険契約照会制度】を紹介します。
(一般的情報ですので、詳細につきましては 一般社団法人 生命保険協会へ確認いただきますようお願いいたします)
Ⅰ・生命保険契約の手がかりがなくて困ったら?
Ⅱ・どうやって利用する?
Ⅲ・申請してからの流れは?
本章において、画像 ; 文章など⇒ 政府広報オンライン 「家族の生命保険契約を一括照会!どこの会社に加入しているか調べられます」 2024年8月24日 より一部転載~筆者にて編集しております。
Ⅰ・生命保険契約の手がかりがなくて困ったら?
お父さまやお母さまなどご家族が『どこの生命保険会社に加入しているか?』ご存じですか?…
近年・一人住まいのままお亡くなりになった・同居していても認知症を患った..など不測の事態の時に、家族も生命保険契約の存在を把握していないケースが増えています。
保険金は、受取人の請求がなければ受け取れないルールです。契約者が家族に保険の加入状況を伝えていない場合、家族が『どの保険会社へどういった請求をすればよいのか分からない』『請求そのものができない』事態が発生します。そうした事情背景から、 親族等の申し出で[一般社団法人 生命保険協会]を通じ、生命保険会社(全社)へ保険契約の有無を一括で照会できる【生命保険契約照会制度】が令和03年(2021年)07月から始まりました。これまで、災害時に保険証券を紛失した場合等に限って照会が可能であったものが、平時においてもオンラインや郵送で照会ができるようになりました。
(注 : 生命保険金は『亡くなった日の翌日から03年を経過すると時効となり、請求ができなくなってしまう』可能性があります。)
これまでは、身近なものを手掛かりに『手当たり次第 生命保険契約を捜索していく』方法でした。
・通帳の保険料の引き落し履歴の確認
・年末調整や確定申告での、生命保険料控除の適用の有無
・保険会社のカレンダー ; ボールペン ; ティッシュなど、ノベルティ 日用品の有無
と併せて、これまで、災害時に保険証券を紛失した場合等に限って照会が可能であったものが、平時においてもオンラインや郵送で照会ができるようになりました。
Ⅱ・どうやって利用する?
【生命保険契約照会制度】は、保険契約者または被保険者が下記のような状態になった場合に利用できます。
平時の場合、照会の費用は『01件につき⇒ 3,000円(税込)』です。申請方法は《オンライン》または《郵送》となります。なお『災害時は⇒ 費用は無料、申請は電話で行う』ことが認められます。
・平時においての死亡
照会対象者が病気などで亡くなり、生命保険契約の存在が分からない場合『法定相続人 ; 遺言執行人などが保険加入状況を照会』できます。申請の際『照会者の本人確認書類 ; 相続関係を証明する戸籍などが必要』となります。
・平時においての認知判断能力の低下
照会対象者の認知判断能力が認知症等により低下し、生命保険契約の存在が分からない場合『法定代理人 ; 任意代理人 ; 3親等内の親族(下図参照)などが保険加入状況を照会』可能です。申請の際『照会者の本人確認書類 ; 協会指定の診断書』などの添付が必要となります。
・災害による死亡または行方不明
災害救助法が適用された地域での被災によって『家屋等の流失または焼失等により生命保険契約に関する請求が難しい』場合『死亡または行方不明となった方の配偶者 ; 親 ; 子 ; 兄弟姉妹が保険加入状況を電話で照会』可能です。

手続きの詳細は、[一般社団法人生命保険協会]の【生命保険契約照会制度のご案内】をご覧ください。
生命保険契約照会制度に関するお問い合わせ 03-3286-2648(生命保険相談所)
【受付時間】 月~金曜日(祝日・年末年始を除く)9:00~17:00
Ⅲ・申請してからの流れは?
照会申請⇒ 利用料金の支払い確認後⇒ 2週間程度で『生命保険会社ごとの生命保険契約の有無が開示』されます。この点ですが、『契約の有無が開示される』だけとなります…詳細な保険契約の内容は『各保険会社へ個別に確認する』必要があります。契約があった場合は『保険会社のコールセンター等へ問い合わせ⇒ 保険金を請求する手続き』開始となります。
【照会対象外】として・財形保険契約・財形年金保険契約・支払い開始後の年金保険契約・保険金据え置きとなっている保険契約は照会の対象になりません。
制度の開始時期
知名度として、まだまだ低い・・ともいえますが、既に運用は開始されています。
(令和03年 : 2021年07月01日からスタートしています)
方法として
照会の方法として、下記の二つの選択が可能です。
↓
①・書面による申し込み
一般社団法人 生命保険協会のホームページの『申込みフォームに⇒ 照会をする人の・氏名・生年月日・住所などを入力⇒ 送信』
照会制度事務局より⇒ 『入力をした住所宛に、申請書等が郵送』⇒ 『必要事項を記載~必要書類を添付~照会制度事務局宛に郵送』
②・Webによる申し込み
こちらも一般社団法人 生命保険協会のホームページより手続きとなります。
『契約照会システム⇒⇒ ユーザー登録⇒ マイページから[申請書等をダウンロード]⇒ 必要事項を入力⇒ 必要書類と合わせ、アップロード』(手数料もマイページより画面案内に従い決済)
回答として『マイページにログイン⇒ ダウンロードをして確認』という進め方なので、パソコン操作に不慣れな方は この方法は難しい..ともいえます。
照会ができる人と必要書類
照会可能な人と必要書類として、照会をする事由により大きく異なります。
・【死亡による照会】の場合⇒ 死亡診断書
・【認知判断能力の低下】による照会⇒ 生命保険協会指定の診断書
がそれぞれ必要となる場合もあります。
照会をする前に[一般社団法人 生命保険協会]ホームページよりご確認ください。
手数料
上述と重複しますが
照会01件につき3,000円の手数料が生じます。
・一般的な死亡・認知症による照会⇒ 01件あたり3,000円(税込)
調査結果として『・契約が存在しなかった場合・照会内容に誤りがあった場合でも⇒ 返金を受けることはできない』ルールです。
・災害による照会の場合には、手数料が生じません。
制度を利用する前にまず確認
本制度を利用するその前に、改めて『生命保険契約の手掛かりとなるものがないか?どうか..』ご家族で調べ、制度を利用する必要性を検討しましょう。
・生命保険証券の存在
・定期的に送付される生命保険会社からの通知物の存在
・預金通帳 / クレジットカードの保険料の支払い履歴の確認
回答までの期間
一般的に『手数料の支払いが確認できてから⇒ 14営業日程度』と認識ください。
契約の存在を確認できた場合
本制度は『保険契約の有無を確認するための制度』のため『・内容の照会・受取の手続き』をおこなうことはできません。
まとめ
現実問題として、亡くなった人が加入していた保険契約が把握できないケースは意外と多く存在します。
これまでは
・預金通帳から保険料の支払いがないかの確認
・支払いの履歴があれば、契約が残っていないかの問い合わせ
などの、いわば『手当たり次第での捜索』が必要でした。
【生命保険契約照会制度】の創設によって、令和03年 : 2021年07月01日から開始されたことで、生命保険契約を簡単に把握することができるようになりました。
この制度の大枠として『一定の者が生命保険協会に照会をかけることで、照会対象者(亡くなった人 ; 認知症になった人)の生命保険契約を一括して⇒ 一斉に『生命保険各社に照合をおこない、調査結果をとりまとめて回答をしてくれる』~いわば、生命保険契約の名寄せといえます。
現状の超高齢化社会において、高齢者が独居のまま亡くなっていく場合 ; 認知症によって本人が加入している保険契約を把握できなくなってしまう事案が多く、今後も多発していく..と考えられます。そういった事案が増加していくことを想定してこの制度は創設されたとご踏まえてください。
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