お世話になりました。11/04 ; FPフォーラム 2024 in 長崎
歴史が変わる 使わないと、もったいない
2024年からの『NISA改正』によってNISAがどう変わるのか?…改正点を、本章で共有していきましょう。
(2023年12月末時点での内容です。今後、内容の変更 / 改正・改定の可能性があることもあります。)
『資産所得の倍増のために、NISAの恒久化が欠かせない。』
(昨年 / 岸田総理大臣のニューヨーク証券取引所においての発言)
【資産所得倍増プラン】とは・・(現 / 岸田内閣の掲げる)
⇒『家計の資産を、貯蓄から投資に振り向けること』
を目指すものです。
現状、家計が保有する2,000兆円もの資産は“半分以上が現預金”といわれています。
(出典 ; [[日本銀行調査統計局 2022年第3四半期の資金循環
(速報)よ り)
https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjexp.pdf]])
お金が投資に回り⇒『企業が成長し、家計も金融資産が増やせる』という好循環への期待値をあらわしています。
そして、実現するための具体的な方策が⇒【“投資で得られた利益にかかる税金が非課税になる”NISA(ニーサ・少額投資非課税制度)の改正】なのです。
2022年12月公表の「令和5年度税制改正大綱」では、2024年からのNISA改正・NISA恒久化が盛り込まれています。
[[与党税制改正大綱が決定
出典 ; NISA拡充・恒久化、スタートアップ支援を強力に推進 2022,12.16 自民党ホームページより
https://www.jimin.jp/news/information/204848.html]]
概要について
『ニーサって何ね?』『今さら聞くとも恥ずかしかとですけど…』と、直近よくいただくご質問やご相談です。最初はわからなくて当然です、情報溢れる世の中 『わけわからんばい』と本音が出るところでしょう。
概要としては、下図イメージしてみましょう・・
↓
《一般的》に
・【株式】や【投資信託】などの金融商品に投資をする
↓
・これらを売却した場合の【利益】や受け取った【配当】に対して約20%の税金(※ 注)がかかる
《NISA》は
↓
・【NISA口座(非課税口座)】内で、毎年一定金額の範囲内で購入したこれらの金融商品から得られる利益が非課税になる、つまり、『税金がかからない制度』です。
※ 注 / 現状 投資信託の利益にかかる税金:20.315% =(所得税15%+復興特別所得税0.315%)+住民税5% 本来の所得税は15%ですが⇒2037年までは復興財源確保法により、0.315%が上乗せされています。
現行NISAと新しいNISAの違い
↓
注) 整理・監理銘柄の株式 ; 信託期間20年未満 ; 高レバレッジ型 ; 毎月分配型の投資信託等は投資対象から除外される予定です。
NISA改正のポイント⇒5つ
ポイント①・『NISA恒久化』の実現
《現行NISA制度》での〔非課税投資期間〕は、
・当初一般NISAが→2023年
・つみたてNISAが→2037年まででした。
↓ のちに
・一般NISA→2028年(今回の改正とは別の「新NISA」となって延長)
・つみたてNISAが→2042年までに5年ずつ延長されることになりました。
《新NISA制度》
新しいNISAでは【NISA恒久化】が実現・・2024年以降、いつでも『期限を気にせず投資ができる』こととなります。将来、非課税でなくなる心配をしないで済むようになります。
(一般NISA・つみたてNISAで保有していた資産は、2024年以降の新NISAとは別枠で、現行の非課税期間で保有可能となります)
ポイント②・『非課税保有期間』の無制限化
《現行NISA制度》
・一般NISAの非課税保有期間→5年(翌年の非課税投資枠に商品を移す「ロールオーバー」は可能)
・つみたてNISAの非課税保有期間→20年でした。
《新NISA制度》
新NISAで投資した資産は⇒『非課税保有期間が無期限』となり、5年・20年といった期間を気にせず、いつまででも運用益非課税の恩恵が受けられます。「商品を課税口座に移す」といった作業も不要になります。
ポイント③・『年間 / 投資上限額』の大幅増
《現行NISA制度》
現 / ・つみたてNISAが→年40万円
現 / ・一般NISAが→年120万円までです。
《新NISA制度》
・つみたてNISAと≒【つみたて投資枠】→年120万円
・一般NISAと≒【成長投資枠】→年240万円
合計=年間360万円まで毎年投資可能となります。
・『つみたて投資枠はこれまでの3倍』
・『成長投資枠はこれまでの2倍』となる大幅の資産運用 / 資産形成が実現となります。
ポイント④・『つみたて投資枠』と『成長投資枠』の併用可能
《現行NISA制度》
【つみたてNISA】(金融庁の定めた基準を満たす投資信託・ETF〔上場投資信託〕に投資) or 【一般NISA】(投資信託・ETFの他に上場株式やREIT〔不動産投資信託〕に投資)の『どちらか片方を選んで利用する』形式でした。
《新NISA制度》
【つみたて投資枠】と【成長投資枠】が併用可能となります。
・【新 / つみたて投資枠】≒【現 / つみたてNISA】
・【新 / 成長投資枠】≒【現 / 一般NISA】と同様の投資が可能です。
【成長投資枠】では、【つみたて投資枠】では投資できない投資信託を購入可能見込みとなり より投資の幅が広がります。
ポイント⑤・新たに『1,800万円の“生涯投資枠”』が設けられる
《現行NISA制度》
現NISAでは、投資している商品を売っても『非課税投資枠が復活しない』ため 商品を『買っても売りにくい』というご意見が多数でした。
《新NISA制度》
新たに『生涯にわたる非課税限度額(生涯投資枠)』が設けられ、生涯投資枠の上限は→1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円)です。
何よりも、生涯投資枠が→『再利用可能』となります。
例) ・新しいNISAで1,800万円フルに投資
↓
・100万円分売却し
↓
・空きの出た100万円分を利用して新たに非課税の投資をする
という一例です。注意点として、年間の投資枠【つみたて投資枠 / 120万円】; 【成長投資枠 / 240万円】以上には投資できません…年間の投資枠を使い切った場合→『翌年以降に再投資』となります。
具体的に
・お金に余裕のある人は、年 / 360万円 × 05年での最速投資
・月 / 10万円 (年 / 120万円)投資可能⇒15年かけて、1800万円の投資
・月 / 05万円 (年 / 60万円)投資可能⇒30年かけて、1800万円の投資
・月 / 03万円 (年 / 36万円)投資可能⇒50年かけて、1800万円の投資
(要は、人それぞれのペースで自由に~一定のペースでやり続ける必要もない)
・年 / 50万円投資するときもあれば、年 / 30万円のとき..ほとんど投資しないときだってある。
いろんなかたちで『ジグザグしながら、1,800万円を埋める』のも全然ありだと思います。
新NISA制度のメリット・デメリット
《メリット》
・個々人での、柔軟な投資戦略と方向性づくり
・より長期での資産形成 / 資産運用を考えられる
・非課税枠が大きくなり、運用益増が期待できる
《デメリット》(というより注意点)
・現行NISAからの、ロールオーバーが不可 (現制度とは別もの)
・【成長投資枠】の対象商品が、一部除外される見込み (現段階の情報発信)
・【ジュニアNISA】の廃止となり、17歳以下の未成年者が制度を使えない
・生涯非課税限度額の管理 (常に限度額を把握しておく必要性あり)
・政府が変われば、税制も変わる可能性
・本当にずっと続くのか?という意見もあり
・「100年安心」と言われた年金制度、今現在~将来どうなのか?という意見あり
・これだけの優遇制度であれば、どこかで増税となるのでは?という意見あり
ここは『すごい』と思える点
(私的な意見を述べますと)
・『旧制度との併用が可能』
・『投資枠が1,800万円もある』
・『最速05年で、枠を使いきれる』
・『非課税期間が永久』
・『売却後、非課税枠が復活』
という点においては、正直すごい!と感じております…。
まとめとして
これまで【つみたてNISA】の場合→『年 / 40万円の上限まで投資』しようとした場合、投資額上限→「毎月3万3,000円」という現状。毎月3万3,000円~12カ月で39万6,000円・・非課税投資枠が中途半端に余ってしまいますね。新NISAの【つみたて投資枠】→『年 / 120万円』とキリの良い数字になります。月の上限としても→『10万円ずつ投資ができる』ことになります。
こちらも是非ご参照ください (当事務所ホームページより)
投資信託とは
株式 / 債券 / 投資信託とは
【年代別】資産形成の流儀と筋道
NISAとは
イギリスのISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)をモデルにした日本版ISAとして、NISA(ニーサ・Nippon Individual Savings Account)という愛称がついています。
非課税制度は『利益が出てなんぼ』・『利益が出なければ、非課税も何もあったもんじゃない』・『他のところで増税されてるだろう』という率直なご意見も、多数お聴きします。
ただ『あくまでも、富裕層でなく 一般層の底上げ (暮らし ; お金まわりを豊かに)をねらった優遇制度』と受けとめて、『NISA口座を利用して投資をおこなう』ことを自身でも進めていきたいと思います。
また『利益が出る投資をする』..ためのお手伝いを、精度を高めておこなっていきたいと願っております。
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