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一人一人に合わせたリハビリで住み慣れた自宅での暮らしを支える

理学療法士の経験を生かし在宅生活を支える介護のプロ

酒井安彦

酒井安彦 さかいやすひこ
酒井安彦 さかいやすひこ

#chapter1

有資格者による個別の機能訓練で、在宅生活を支えるデイサービス

 長寿県として知られる長野県。その千曲市で介護サービスを提供する「リハビリ介護研究所」。代表の酒井安彦さんは、30年以上にわたる理学療法士の経験を生かし、リハビリに力を入れたデイサービス「リハビリ処 屋代」、居宅介護支援事業所「屋代の華」などを運営しています。

 「高齢になっても、住み慣れた自宅で暮らし続けたいと考える方は多くおられます。リハビリを通して、在宅生活を続けるための支えとなりたいと考えています」と酒井さん。同施設では、1日の定員30人に対し、理学療法士や作業療法士などのリハビリ専門職を5人配置。1対1の機能訓練をはじめ、一人一人の身体機能や生活環境に応じたリハビリを行っています。

 「在宅生活を支えるには、身体機能だけでなく、普段の生活動作を意識した支援が欠かせません。歩く、立ち上がる、手を動かすといった基本動作に加え、暮らしに役立つプログラムを提案しています」

 また、入浴や送迎なども日常生活の動作につながる大切な機会と考えています。そのため、あえて家庭用の浴槽を設置し、送迎には普通自動車や軽自動車を使用しています。

 「ご家庭には介護設備がない場合も多くあります。浴槽をまたぐ、車へ乗り込むといった日常の動作そのものが、自宅で暮らし続けるための訓練になります」

 同施設には、高齢者だけでなく、脳梗塞などで退院後もリハビリを継続しながら社会復帰を目指す40~60代の利用者も通っています。

#chapter2

デイサービス利用者の声から、有料老人ホームにも事業を拡大

 デイサービスの開設から14年。利用者から「自宅での生活を続けることが難しくなっても、慣れ親しんだ環境で過ごしたい」という声が寄せられたことをきっかけに、2021年から同じ地域で住宅型有料老人ホーム「屋代宮ホーム」の運営も始めました。全8室の一軒家を活用したホームでは、できるだけ自宅に近い環境で過ごしてもらうことを大切にしています。

 「安全面に配慮しながらも、できるだけ普段の暮らしに近い環境を残しています。面会時間も柔軟に対応し、ご家族との時間を大切にできるよう努めています」

 酒井さん自身も夜勤や排せつ介助などの現場業務を経験。24時間365日続く介護の仕事の大変さを改めて実感したといいます。

 「経営者として給与や働きやすさの改善には取り組めますが、現場の負担をなくすことは簡単ではありません。それでも、介護を必要としている人のために情熱をもって力を尽くすスタッフを見ていると、人が輝ける仕事だと実感します」

 現場を経験したことで、介護事業者が抱える課題にも目を向けるようになった酒井さん。今後は、小規模介護事業者からの相談にも応じたいと考えています。

 「同業者から『空き部屋が埋まらない』『経営に不安がある』といった悩みを聞きます。『利用者のために』という原点にある思いを大切にしながら、私自身が実践してきたことをお伝えすることで、事業の継続につながる一助になればと思います」

酒井安彦 さかいやすひこ

#chapter3

30年以上の理学療法士経験を生かし独立開業

 酒井さんは、学生時代、野球ややり投げに打ち込み、スポーツによるケガのリハビリに興味を持ったことから理学療法士を志しました。約30年にわたり医療機関や介護老人保健施設で経験を積んでいます。

 「当時は県内でもリハビリ専門職が少なく、複数の病院や介護老人保健施設で経験を積みました。特に介護老人保健施設では在宅復帰を目指す利用者が多く、『リハビリで暮らしを支えたい』という思いが強くなりました」

 その思いから、2012年にリハビリに力を入れたデイサービスを開設。酒井さんはデイサービスを、介助を受ける場所や預けられる場所ではなく、利用者が日々の暮らしを続けるために主体的に活動できる場所にしたいと考えています。その理念に共感したスタッフが長く勤務していることも同施設の特徴です。
 また、利用者本人だけでなく、その家族にも介護保険制度や介護サービスの仕組みについて理解を深めてほしいと考えています。

 「介護保険制度は自分に合ったサービスを選ぶための制度ですが、内容が複雑で十分に理解しないまま利用される方も少なくありません。ご本人やご家族が納得して選択できるよう、サービスの選び方や見学時のポイントなども気軽に相談できる場をつくっていきたいですね」

 理学療法士として培った専門性と介護現場での実践を生かしながら、これからも地域で暮らす高齢者とその家族を支え続けます。

(取材年月:2026年7月)

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酒井安彦

理学療法士の経験を生かし在宅生活を支える介護のプロ

酒井安彦プロ

介護事業者

株式会社リハビリ介護研究所

理学療法士・作業療法士による個別リハビリを中心に、10年以上デイサービスを運営。機能訓練だけでなく入浴や送迎も生活動作の練習につなげ、住み慣れた自宅での暮らしを支えています。

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