日本庭園や和モダン、坪庭など、知識・技術と創意工夫で癒やしの庭を提案（3/3）

勉強会を通じて、若手・女性庭師の育成と技術のアップデートにも注力

　風情あふれる日本庭園や趣ある坪庭、和洋折衷のガーデンなどを造形してきた北川さん。今後は、若手や女性庭師の育成に注力していきたいと話し、すでに数人の女性が職務に励んでいます。
　「彼女たちは木の状態を細やかに捉える感性や技術習得の意欲が高く、上達の早さに驚かされます。職人の道はたやすいものではありませんが、学び続ける姿勢があれば、性別は関係ないと実感しています。40年続けてもなお好奇心を刺激され、探究心が湧いてくる奥深い世界ですから、興味のある方は、ぜひ飛び込んでほしいですね」
　
　伝統的な庭園の様式や、その歴史的背景を理解するほか、顧客のニーズを研究したり、ノウハウを共有したりする勉強会も開催中。同じ師匠の元で腕を磨き、全国各地で活躍している同志が集まり、切磋琢磨する場です。あわせて、後進を育てる場としても活用し、北川さんは講師を務めています。

　「庭は、その時代ごとの文化や思想を取り入れて変化してきました。時間の使い方一つ取ってもそうしたことが表れます」

　例えば、プライベートを重視する現代においては、現場に入る時間を遅くするといった心遣いをしているそう。
　「限られた作業時間で、いかに内容の濃い仕事をしてお客さまに喜んでいただくかが重要で、一つ一つの技術を進歩させなくてはなりません。今は、樹種やエクステリア用品、建物のデザインも多彩になったので、全国から経験を持ち寄ることで私たち自身をアップデートしています」

（取材年月：2023年5月）

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⇒限られた予算・空間に職人の知識・技術を加えて心和む庭を実現