自動車ボディーの傷、磨きで消せる傷のご紹介!
レクサスCT200レザーシート新品廃盤でリペアにて対応
「パンチングレザーシートの補修できますか?」の問い合わせを業者様よりいただきました。送信された写真には破れ、擦れ、シワなどが目立ち、全体的にかなり劣化して見えます。
新品に交換を考えてたが、この年式のレザーは廃盤で交換はできなことからリペアとなりました。
今回の車は車内クリーリングを行うため、シートは取り外すということで引き取りにいきました。状態からみてシートのほぼ全体を再塗装する必要があったので、こちらとしても助かりました。
予想以上の劣化!削りで表皮を一皮むく
実際のシートは座面の破れに目が行きますが、よく見ると表皮の劣化がかなり進んでいます。塗膜が捲くれがかった箇所が随所に見られ、この状態の上に最終的に塗装をしても、永くはもちそうにありません。劣化部分を削り一皮むくことから下処理を開始しました。
革製品は塗装面、銀面、床面の三層に分かれてます。本革は銀面層の範囲内なら削っても再生可能ですが、厚みとしては一ミリ以内の範囲だろうと思われるので、あくまで慎重にサンダーで削り作業を進めます。
破れの部分は補強材を裏打ちし、加熱式充填剤で仕上げます。擦れとシワの部分も、削りと、充填剤の盛り、を交互に繰り返し凹凸をなくして行きます。下処理がほぼ完成した時点で、座面の補強で埋まってしまった箇所をペンシルユーターを使い穴あけをし、パンチングレザー下処理完成です。
トータルリペアの試験を思い出しながら塗装開始
トータルリペアとして開業するには試験に合格しないとできません。
私の場合試験に用意された部材が今回と同じパンチングレザーで、色も今回に似た白に近いベージュ色でした。調色でこの色がなかなか出せなくて苦戦した記憶が蘇えってきます。
いま考えたらなぜ苦戦したのかが不思議ではありますが、黒系に比べてら比較的難しい色ではあります。
マスキングを塗装用に直して塗装開始。
最近あまり目にしなくなりましたが、SNSで革製品の補修材として二種類のペースト状のクリームを塗るだけで「あら不思議、劣化部分が蘇る!」という怪しい補修材が数千円(必ず2セットで販売)のコマーシャルがありました。「色はどうするんだ」「強度は保たれるのか」いろんな質問が出されても、一切答えることはなく流されました。儲かれさえすればいいと言わんばかりの大量宣伝があまりにも多く、むかつくのは私だけではないと思います。
無駄口をたたいてしまいましたが、レクサスCT200パンチングレザーシートリペア完成です。
「おーすごい!」と喜んでくれる社長さんの顔を想像しながら納品にいきましたが、社長さん不在で感想は聞けずじまいとなりました。
人生こんなこともあるさ!