使う人の思いをくみ期待以上の仕上げで応える（1/3）

新築工事で避けられない大小の困った傷に対応

　「住宅を新築したけれど、引き渡される直前に床や壁、建具に傷や汚れを見つけてしまった」。そんな時はどうすればいいのでしょう？すべてを取り換える、張り替えるとなれば膨大な時間と費用がかかります。

　「交換せずに何とか補修してもらえたら」という願いをかなえるべく尽力しているのが、住まいの傷をケアする米澤吉二さん。長野県千曲市で補修業「トータルリペア工房吉楽」を営み、住宅のフローリングや家具、アルミサッシなどの補修作業のほか、車の内装補修、革製品の修理を専門に行っています。

　「住宅の新築工事やリフォーム工事では、たくさんの業者の方が現場に入りますので傷がつくことはあります。こういった問題を受けている業者は少ないようで、当方が扱う件数でも住宅の傷の補修依頼が大半を占めます」

　修復が難しいと思われた傷もきちんと直すことで、依頼者との信頼関係を築いてきた米澤さん。その技術力がうかがえる案件の一つに、温泉旅館のリフォーム工事があります。

　「柱に長さ1メートル以上の古い加工傷があり、現場の職人さんから『これはいくら何でも手の施しようがないだろう』という声が聞こえてきたのです。住宅で補修する傷の多くは1円玉くらいの大きさです。さすがに逃げ出したい気持ちでしたが、チャンスかなとも思いました。結果きれいに修復できて、自分の技術にとても自信が持てたのです。職人さんたちの人脈も広がりましたし、仕事も増えていきました」

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