ダイハツTanto 合皮シートリペア!報告
ご近所の自動車屋さんよりスバルフォレスター、レザーシートの写真添付で修理可能か?の問い合わせをいただきました。
破損状態は背もたれサポート部の表皮破れ、座面サポート部の上面表皮破れ、座面側面の表皮破れ大きく分けて3箇所の破れです。
破れが発生している箇所は中のウレタンフォーム(スポンジ)も変形している場合が多く、ウレタンフォームの変形と、スバル車特有の深いシボ目(革模様)の完全復元はできませんが、遠目から見て違和感のないレベルに近づける事は可能です。見積と仕上り具合を説明して施工日程が大筋決定しました。
施工当日、目の前に用意されたフォレスターは大変きれいな状態で、シートも破損個所を除けば「こんなきれいな状態で、破れちゃうの?」と思うほどでした。きれいな状態のモノほど求められる仕上りもハイレベルになります。きょうはちょっと気合入れるか!(いつも入れてはいますが・・・。) と自分に言い聞かすレベルの車でした。
クリーニングと脱脂を完了させ下処理用のマスキングを実施し、下処理開始です。塗装範囲はこの時点で大枠は決まっていますが、最初から塗装用のマスキングをしてしまうと、下処理中に剝れたりする場合がありますので、ここでは、下処理に使う充填剤などが、補修しない箇所に飛散しないようにするためです。
加熱式充填剤を破れた表皮の裏側にもしっかりと入れ補修用のアイロンで熱を掛けた直後、クーリング材で溜まった熱を除去します。
一度に厚めに充填剤を投入すると、下側は十分に熱が掛からず剥げてしまう事がありますので、一回で充填できる厚みは1mm以下になります。この加熱式充填剤は加熱が完了しても柔軟性を失わず強度的にも優れ、刃物でも使わない限りまず切れないです。これを何度か繰り返します。
大きな破れ箇所の強度的下処理補修はここで完了です。通常表皮の破れた箇所は上方向に盛り上がるので、下処理箇所は凹凸の状態になります。今度はこの凹凸を修正するために、これまでとは違う充填剤で形状補修です。この間も充填剤で埋めた箇所はシボ目(革の模様)が消え、「いかにも補修しましたというツルツル状態」にしないようにシボ目を転写させながらすすめます。
下処理終了、塗装用のマスキングを完成させ、最終的な調色を行って塗装に入ります。ここからが補修屋独特の塗装!腕の見せどころ!ですが、残念ながら非公開です。
こちらの店舗は2度目の補修でしたが、今回は初めて社長さんが対応してくれました。補修のしかた、開業までの経過などいろいろ話しがはずみました。「ホームページ見ているよ!」と一言添えてもくれました。