デジタル社会への道筋~どう対応したらいいのか?2021年12月の現状
政府はマイナンバーカード取得者らを対象に最大2万円分のポイントを付与する新たな制度を打ち出し
2025年には運転免許証との一体化をめざし普及促進をすすめています。
マイナンバーカード取得によるメリットを強調しているが、普及が進んでいないのが現実です。
その背景に何があるのか。マイナンバー制度の問題点について、
経営コンサルタントの大前研一さんはこの様に見ています。
大前研一氏が警鐘「マイナンバー制度のシステムは破綻するのが確実」
①カードの新規取得者に最大5000円分(利用額の25%)
②健康保険証として利用登録すると7500円分
③公金を受け取る口座を登録すると7500円分
の3段階で、マイナンバーカードの普及促進と消費喚起を目的に、
この「マイナポイント事業」の経費として2021年度補正予算案に1.8兆円を計上した。
マイナンバーカードの交付率はまだ39.5%(2021年12月時点)だが、
そもそも便利で安全で使い勝手の良いカードなら、お金で釣らなくてもみんなカードを取得するはずだ。
しかし、利便性や必要性が感じられず、生体認証がなくて危険だから、なかなか普及しないのである。
このコメントの裏側には
ICチップリーダーと2種類のパスワードでの本人確認機能によるため
脆弱性があることを指摘しています。
更に大前研一さんが指摘している点として、
自治体別にバラバラに開発した住民基本台帳ネットワークシステムを土台に屋上屋を架している
マイナンバー制度のシステムは、
統合の後遺症に伴うトラブルが絶えないみずほ銀行のシステムと同じような状態になっているので、
将来的には破綻して作り直すことになるのは確実だ。
今、デジタル庁がやるべきことは、
日本の行政サービスを根本からデジタル化して国民と国が電子的につながる国民データベースをゼロから構築することだ。
それがあれば、一人親世帯などの家計の貧困状況はすぐにわかるし、給付金も紐づけた口座に簡単に送金できる。
にもかかわらず、使えないマイナンバーカードに固執し、お金をバラ撒いてでも普及させようとしているのは愚の骨頂だ。
政府は子供の貧困や虐待を防ぐため、家庭の経済状況や子供の学力などの情報を一元化するDBを構築する方針だと報じられたが、
それも含めた生体認証付きの国民データベースを作ればよいだけの話である。
土台が崩れているマイナンバー制度を存続させてサービスメニューだけを積み上げていっても、
どこかで“ご破算”になることは目に見えている。
それがわからない政治家がお金で釣って利用者を増やすのは、税金の無駄遣いも甚だしい。
と大前研一氏は指摘しています。
『推進派』『慎重派』それぞれの勢力の『思惑』があるんだろうと思います。
社会システムの変革には『波に乗る』という考え方もあれば
一方で上記のような『懸念』もあることをお含みいただければと思います。
デジタル社会の中での本人確認の有効性と
複雑なシステムの上の構築されているこの制度が『光』をもたらすのか『混乱』をもたらすのか
今の段階では想像のつかない一大国家プロジェクトが進行しています。