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小林仁

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小林仁(こばやしひとし) / 記念品オーダメイド

小林印房

コラム

『脱ハンコ騒動』から観る時代の転換点『デジタルとアナログの二本柱が必要なのでは』

2020年10月12日 公開 / 2021年11月13日更新

テーマ:デジタルとアナログの二本柱で新しい社会を

コラムカテゴリ:くらし

脱はんこ危機感

『脱ハンコ騒動』でも『私の意思はどうやって証明したら良いので

この100年人類史上まれに見る変化のスピードで翻弄されている。
コロナ騒動の突然のロックダウンによりリーモートワークに急激にシフトした
社会システムを皮切りに政府主導でもデジタル社会への移行推進が
急速に進められた感があります。
30年前、パソコンが世の中に普及し始めた頃
『これからペーパーレス社会になる』と言われはじめ
身構えた記憶があります。
その後『国民総背番号制』への議論や
2016年頃からすすめられたマイナンバー制度も導入実績も今だ20%に満たないなど
『どこまで管理されるんだろう』や『危うさ』や『面倒な感じ』があって
思う様に進んでいないのは『根強い抵抗感』があるんだろうと思います。

世論喚起の大キャンペーン

『ハンコを押すために出社しなければなりません!』
『リモートワークの妨げになっているのは押印です!』
『なぜこんな古い習慣が・・・時代錯誤です!』
TVニュースや新聞にも大々的に取り上げられ
『そうだ!そうだ!』と言う人も多いのかもしれません。
瞬時に世界中を飛び交うデジタル文書の機敏性
対面することなく情報交換できる便宜性
ビッグデーターのデーターベースとしての活用性
新たな可能性としての期待は大きいのだと思います。
一方で『把握しきれない不安要素』もあるのだと思います。

暮らしの中で印鑑はなくなるのですか?

全ての押印がなくなるのではなく行政手続き文書の中で
『不要と思われるものは廃止していきましょう。』と言うもので
印鑑証明が必要な『実印』は今後も残っていくものと想像しています。
かえって『自分自身の意志を示すもの』として
『どこにでもあるような既製の認印ではなく』姓名を刻した独自性のある
他に無い『唯一無二の自分だけの印鑑』は持っていた方が
自分の意思をしっかりと示すという点において良いと思いますし
遺言や財産の相続などまだ議論になっていない分野も多いです。

ハンコと言っても様々な用途があります。

印鑑の役割は紙面上で本人を証明する役割として長く社会制度として
親しまれてきましたし
個人だけでなく団体や会社や法人の意思を示してきた役割りも持っています。
その中には重要度の高いものもあれば、重要度の低い軽度なものもありました。
重要度の低い慣例的に行われていた押印を廃止する
という目的も含まれているのではないかと想像しています。

ただ、その代わりに『どうやって証明するの!』の疑念は残ると思います。
例えば文書の出どころは『本当にここなの』
『なりすまし』や『偽造』『偽装』がある中で
『何を信じたらいいんだろう』はどうやって担保するのでしょうか。

これからは『電子認証システムだ!』と言う人もいるけれど

電子認証システムのネット広告を見ることが多くなりました。
認証システム運営会社と契約し
第三者認証機関を間にはさんで暗号化した文書をクラウド上に保存するサービスの様です。
月額課金のサブスクリプション方式となり月額/費用負担は大きくなると思われます。
もしも解約した場合クラウド上の契約書はどうなるのか?
デジタル特有の『便利だけど危うい』という『危ういという部分』の特性は解消できるのか?
日進月歩の開発で新たな領域を迎えることができるのか
混沌とした時間は必要なのではないかと思えます。

デジタルとアナログの二本柱

デジタルとアナログ両方に優位性と欠点がそれぞれあり
それを補い合えるのが『両方を使うこと』だと思います。
人類史は新たな局面に入っているのだと思います。

刀や鉄砲で戦っていた時代からの変換
油から電気へのエネルギー源の変換
ちょんまげから西洋髪形スタイルへの変換
和装から洋装への変換
馬車から自動車への変換
人類は様々な転換を経験してきました。

世界規模の社会システム転換点の一環と考えれば

金融・エネルギー・貨幣・文書がAIやロボット・5G・ブロックチェーンなどの
デジタル技術を用いてどの様に変化をしていくのか
文化はどのように位置づけられていくのか
我々はどうこの変化に対応していかなくてはならないのか
日本の国内事情だけでなく世界的な秩序の動向にも関心を寄せながらこの問題に対して
考えていく必要があるのではないかと考えています。


昭和4年創業三代目小林印房 小林仁の
脱ハンコ騒動に寄せる私感を記してみました。

昭和四年創業時の小林印房

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