相続の生前対策に力を入れる税務のプロ二木洋和

相続の生前対策に力を入れる税務のプロ

二木洋和

生前贈与制度の活用など税的な側面を踏まえ次世代への円滑な承継について提案

　「相続は、前もって対策を行うことが重要です。税的にも手続的にもご相続が発生してからとなるとどうにもならないことがありますので、早めに取り組むことをおすすめします」
　こう話すのは、「ふたつぎ公認会計士事務所」の代表で税理士の二木洋和さん。長野県松本市で、相続税に関する相談に応じています。

　「金融資産を非課税枠が適用される生命保険に変えるなど、金融商品を活用する方法もあります。存命中に財産を引き継ぐ生前贈与も事前対策として有効だと思います」

　生前贈与については、基礎控除額を超えた分に贈与税が課されるなど気をつけるポイントもあります。
　「時間を掛けて、計画的に進めることが何よりも重要です。実際に行う場合には煩わしさがあるかもしれませんが、何もしないまま時がたつのは非常にもったいないことです」

　相続税の申告及び事前相談を多数請け負う二木さん。培ってきた豊富な経験で、初回から本質を捉えた提案ができるのが強み。毎年のように変わる税制も踏まえて道筋を描きます。

　「固定資産税の書類、金融資産の概算、家族構成などの資料をいただければ、おおよその相続税額についてお答えできます。相続税額を把握すると、税とのバランスを考慮しながら将来の収支計画を立てることが出来ます。実際に作成していただくと、将来のことが心配だったけど具体的になって良かったというお客さまの意見が多いですね」

　また、遺言書が作成されていなかったことで、親族間でもめるケースも多いとか。スムーズな相続のためにも、行動を起こしてほしいと呼びかけます。

会計事務所と企業に勤め、税務に関する知識と経験を得て独立

　不動産鑑定士である父の仕事を子どもの頃から見てきた二木さん。専門家として尊敬される父に影響され、大学在学中から公認会計士を志し、大学卒業年度の2007年に合格しました。

　2013年に関心の強かった税務の仕事に携わるべく、監査法人から税理士法人に出向。がむしゃらに働き税務の知見を深めました。
　「この時の膨大な仕事量が今の知識と経験の基礎となっており、成長の場を与えてくれた職場に感謝しています」

　2016年にはメガバンク系列のリース会社に転職。経理部に所属し、通常業務の他に新規事業の立ち上げなどプロジェクトチームを担当しました。

　「積極的にプロジェクトを推進する営業部と、全体を俯瞰し意見する経理部という対立構造になりがちの中、相手方にどのように伝えればプロジェクトが円滑に進むか、気を配りました。こうした経験は、現在もお客さまと面談をさせていただく際のコミュニケーションに生きています」

　十余年にわたって企業勤めをしていた二木さん。柔軟な働き方をしたいと、2019年に神奈川県に会計士事務所を設立しました。事務所運営していく中で、今まで身に付けた知識と経験を幅広く社会に役立てたいと考えるように。
　2021年には、自身の出身地でもある長野県に事務所を移転。従業員の協力もあり、相続業務に一段と注力するようになりました。

　「私が会社勤めをしていた時に相続が発生し、手助けいただいた専門家に今でもとても感謝しています。独立したからには、その先生のように相続などで困っている方に力添え出来ればと思っていました」

　独立後も日々勉強と二木さんは言います。「お客さまにとって何がベストなのか、新たな情報を取るように心掛け、対策などの良し悪しも事例を通して検証しています」

他の士業らとチーム体制でサポートし、アフターフォローも丁寧に

　「戸籍の取得などが大変だから代行してほしいという要望があれば、行政書士の力を借りますし、相続不動産の名義変更をしたいというお声には、司法書士に手続きを頼みます。相続人間で紛争状態になれば弁護士の出番となります。士業だけでなく、保険会社や金融機関の方にも協力をお願いします」

　他の分野の専門家と連携しながら、チーム体制でクライアントの困りごとを解決していくことが、相続業務のやりがいと語る二木さん。

　相談は対面でもオンラインでも可能で、オンラインツールはZOOM、Google Meet、コミュニケーション手段としてLINEやショートメールでの問い合わせも受け付けています。
　「スマートフォンで書類を撮影して送っていただければ回答しており、子育てや仕事で忙しい若い世代に好評をいただいています」

　アドバイスをする時には、本人や家族の意向を最大限尊重しながら、リードするべき時と出しゃばらない時を見極めることを心掛けているそう。
　「特定の誰かに肩入れするのではなく、相続する皆さんの負担ができるだけ少なくなるにはどうすればいいかという観点から助言いたします」

　業務が一区切りした後のフォローも大切にしています。例えば、相続不動産を売却した際は確定申告が必要になることもあり、「分からないことがあれば、いつでも声を掛けてください」と伝えているそうです。

　「これまでどおり法人のお客さまも大事にしながら、個人のお客さま、特に相続の生前対策に力を入れ、次世代により良い形でつなぐお手伝いをしていきたいですね」

（取材年月：2023年12月）

相続に関する困りごとに応え、相談者や家族の意向を尊重しながらサポート

生前贈与制度の活用など税的な側面を踏まえ次世代への円滑な承継について提案

会計事務所と企業に勤め、税務に関する知識と経験を得て独立

他の士業らとチーム体制でサポートし、アフターフォローも丁寧に

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