仙台の行政書士より241122心のメッセージ
本日は、東京で開催されます障がい者福祉経営セミナーに出席いたします。
今日は、宮下雪子先生の言葉のご紹介です。
〈過去を肯定する〉
三宅島に住んでいた時、二度の大噴火で避難生活を余儀なくされました。一度目は、噴火口から溶岩が流れ出し、あっという間に400世帯飲み込まれわが家もそこにありました。避難生活を共にするという特殊な状況は人間の本性が露にされ、自分が身内がと我先に物資の調達や義援金の争いを見ることがありました。
他者を避難するのは簡単で、人が見ていなければ私もという自分の姿を垣間見て恐ろしくなりました。そのような状況の中で、娘の心臓病がわかり、すぐ手術ということになりました。都内の病院では全国から難病といわれる子供たちが入院生活をしています。親御さんは病院の近くにアパートを借り、時間を惜しんでわが子と面会し、命と命の語らいをしていました。
ある方に「宮下さんはいいでしょう。手術をすれば帰れるのだから」と言われ、その方の負っている悩みの重さを知りました。そして、今、私は自分にこう問いかけてみたのです。「その状況の中で私はなにを得たのか?また、なにを得てきたのだろうか」と、お金や物は失われた。それ以上に価値あるものは何か、それは命であり存在の価値の大きさと思ったのです。
その後、18年経ち二度目の噴火により都内で避難生活を5年間過ごしました。先が見えない状況の中で、更になにを得たのかというと「一筋の希望」と言えます。その希望はその時も今も変わることなく私の前にあります。そして、その希望に照らされると、過去の出来事は宝に変わる、いや実は過去は宝だと気づいたのです。人生が豊になる秘訣はどうも過去を肯定するところにあるようです。