仙台の行政書士より250207心のメッセージ
本日は、東京で開催されます第27回「日本の福祉を考える会」に出席いたします。
今日は、宮下雪子先生の言葉のご紹介です。
〈すでに意味が先にある〉
よく、田中先生が「試練、困難は宝になる」と言われます。私は、この言葉をケアマネージャー時代によく使っていました。
急性期のアルツハイマーの方になると、自分の妻子の顔を忘れ、急激に何もできない状態になるので、家族としてはどうしていいのか分からなくなります。私は、ご家族のお話を丁寧に聴きながら、少し状況を客観的に見られるようになった頃に、「今は分からないけれど、必ず試練、困難は宝になります。だから、一緒に歩んでいきましょうね」と声がけさせていただきました。
担当していたご家族から最後に聞いた言葉です。「私は母が嫌いでした。でも今は母のことがかわいく思えるようになった。こんなふうに思える自分が不思議」。「主人が私の代わりに認知症になってくれました。主人のおかげで、辛い人の気持ちが少しは分かるようになってきました。今では他人事のように思っていたのに、宮下さんの言われるように宝になりました。この言葉は本当です」。
絶望のただ中にいる方の話を伺うとき、最初はこちらも葛藤を覚えます。しかし、相手に合わせるコツさえつかめば、お互いが楽になっていきます。そして、関わる側の心の間口が広がり、その状況の中に意味を見出していきます。さらに言えば、実はすでに意味が先にあるのです。意味を見つけたとき、試練、困難は宝になるのです。



