仙台の行政書士より170128心のメッセージ

　本日は、東京で開催される「精神障がい者の就労定着セミナー」に出席いたします。

　今日は、井出かほる先生の言葉のご紹介です。

　〈母と娘の共通点〉

　拒食症は、食べることができなくなる症状です、食べ物を全く受け付けなくなり、体重は何十キロも落ち、生命に関わる事態となることもあります。はたから見てガリガリに痩せているのに、本人は「自分はまだ太っている」と思い込み、鏡に映る自分がとても醜く見えてしまうのです。その家族もどう接していいか分からず悩みます。
　拒食症の娘さんを抱えるあるお母さまが、夜、お風呂で娘さんの背中を洗っていました。ポコッと出た背中の骨を見て「アー、この子死んでしまう」と確信したそうです。しかし、そこで「娘がかわいそうだ。死んで欲しくない」とは思わず、「アー、私は周りの人々から何て思われるだろう」と他人の評価を気にしている自分に唖然としたそうです。
　私はこのお母さまの正直な告白に、厳粛な思いになりました。心の世界は、「良い悪い」を超えたところにあります。心の問題に対して、自分の本当の気持ちを知り、言葉にすることから本質的な解決が始まります。
　実は、このお母さまと娘さんには、共通点があります。それは「周りから自分への目が気になる」ことです。その自分をお母さまが否定せず受け入れると、人の目が気になる娘さんの気持ちに本当に沿うことができるようになります。この共感から、この家族の真の未来が開かれると私は信じています。