仙台の行政書士より241129心のメッセージ
本日はシャロームの会のメンバー交流会に参加いたします。
今日は、西村繁夫先生の言葉のご紹介です。
最近、「親切な進化生物学者」（オレン・ハーマン著、中村桂子訳、みすず書房）という本が出版されました。タイトルからすると、何だか専門家でないと読めない難しい本のようです。しかし、その中で一貫して論じられているのは、「人間関係の利他的行動」についてです。
「利他的行動」とは、文字通り、他人を利する行動です。その遺伝子が、私たち人間の中にあって（それは、もちろん人間の進化の過程で獲得されたものですが）、人間を人間たらしめる原動力だというのです。そしてこのことを現代の科学が証明し、認めてくれていること自体が、私にとっては大変嬉しいことでした。確かにわれわれは、誰かが井戸に落ちれば、躊躇なく助けようとします。それが私たちの本能の中に組み込まれた性質であることは十分に納得できるでしょう。
以前に、ある有名な遺伝学者が、「利己的遺伝子」という本を書きましたが、この本は人間性について否定的な面を強調していました。しかし、「親切な進化生物学者」では、人間性の肯定的な面が沢山強調されています。これも私にとって大変嬉しいことでした。
「利他行動」とは優しく言えば、他人に「親切にする」ことです。私たちは、誰かが困っていたり、危険に陥っている時には、ためらわず、恥ずかしがらずに、「利他的行動遺伝子」の機能を十分に発揮させ、たくさんの親切を行いたいものだと思います。
