仙台の行政書士より241129心のメッセージ
本日は午前中、建設業許可申請と永住許可申請ぞれぞれのご相談をお受けいたします。また午後は、心の障がい者の就労支援のご相談をお受けいたします。
今日は、金藤晃一先生の言葉のご紹介です。
〈人を赦すということ(その6) ― 赦してたまるか〉
ある女性のカウンセリングの時でした。その方には長年どうしても赦せない人がいました。自分たちを捨てて蒸発した父親です。話をお伺いすると、「赦せなくて当然、憎んで当然でしょう」というお父様なのです。
ところが、その方は「その父親も死んで、私も60歳になりました。もう、憎み続けている自分に疲れてしまいました。もうそろそろ赦したいんです。赦して自分も楽になって、幸せになりたい。考えてみると、私はあえて意識的に幸せにならないことによって、父親に復讐してきたんだと思います。『あんたのせいで私の人生はこんなにメチャクチャになったのよ』と私の無意識はずっと言ってきたのだと思います。こういう人生に疲れました。でも父をやはり赦せない」。
自分自身を深く見つめておられるこのクライエントの方に感心しました。そこで私は前述したカウンセラーの言葉を申し上げました。「“赦せない”という感情は、実は相当無理をしないと生まれてこない感情です。人間は本来、人を赦してしまうものなのです。だから、うかうかしていると簡単に人を赦してしまいそうになるので、必死に意識して、赦さないようにがんばっているのです」。すると、その方はオイオイと泣き出されました。ひとしきり泣いた後に、「あぁ、私は本当にがんばってきたと思います。小さい頃からずっと憎み続けることに必死だった。そして、成長するに従って、その自分はダメだ、憎んでいるから私は幸せになれないんだとずっと自分を責めていました。でも、相手を赦す前に、私がしなくてはならないことは、けなげに『赦してたまるか』と必死になってがんばってきたこの自分自身を赦すことなんですね」とおっしゃって、ホッとした表情になられました。そして「何か私の中で、変化が起き始めているような気がします。今まで感じた事のない感覚だ~」とおっしゃって、帰っていかれました。