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後ろから着物に触れる慎み

菊地茂

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 本日は、仙台純福音教会の野外礼拝に出席し、夕方は池田先生の受章祝賀会に出席いたします。
  
 今日は、前島誠先生のことばのご紹介です。

 そのとき、十二年間も長血をわずらっている女が近寄ってきて、イエスのうしろからみ衣の房にさわった。み衣にさわりさえすれば、なおしていただけるだろう、と心の中で思ったからである。[マタイによる福音書・9章20-21]

 この場面は、聖書に語られている情景のうちで、もっとも感動的なものの一つです。
 血の流血は、ユダヤ人にとっては特に汚れたものとして受け止められていました。従って、この女性は十二年ものあいだ汚れたものとして、誰からも嫌がられた存在だったわけです。また、自分でもそのことを意識していました。だからこそほかの人たちとは違い、直接イエスの手や足に触れようとはせず、「後ろからみ衣の房にさわった」のでした。
 この女性の心を深く味わいたいものです。正面ではなく、後ろからそっと近づいて、み衣の房に触れるだけでいい。そのような慎みを、われわれはうっかりすると忘れることはないでしょうか。
 イエスは群衆の喧騒のなかにもかかわらず、足を止めて振り向いたのでした。

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