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何をしないであげるか

菊地茂

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 本日は、外国人技能実習生に入管法等の講習のため、栗原市にでかけます。

 今日は、増田泰司先生の言葉のご紹介です。

 お子さんのことで相談にいらっしゃる親御さんに対して、私はよく次のように質問します。「お子さんにどうなって欲しいですか?」すると「忘れ物をしないようになって欲しい」とか「同年代の人のように、普通に働いて欲しい」とかおっしゃいます。要するに、自立して欲しいと言うんですね。
 私は答えます。「では、お子さんがそうなれるように、邪魔しないようにしましょう。そのためには、今やっていることで、何をやめるべきだと思いますか?」
 たいてい、ここで話がすれ違います。親御さんは、子どものために何をすべきかを尋ねにいらっしゃるのに、私は何をやめるべきかを話題にするのですから。
 でも、多くの親御さんが、子どもの自立とは逆の関わりをしています。忘れ物をいちいち親がチェックして、子どもが自分で考えなくていいようになってしまっている。あるいは、30歳近い働いていない子どもに、求められるがままにたくさんの小遣いを与えて、働かなくても困らないようにしてしまっている……。
 「親として、子どもに何をしてあげるか」。もちろんそれは大切です。しかし、それと同時に、「何をしないであげるか」を考えるのも親の大切なつとめなのです。

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