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迷惑な着信音

菊地茂

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 本日は、朝に仙台中央倫理法人会で「私の使命~心の障がい者への就労支援」というテーマでお話させていただきます。また、その後は仙台市公園愛護協力会宮城野支部総会と宮城県行政書士会定期総会に出席いたします。

 今日は、金藤晃一先生の言葉のご紹介です。

 現在、世界最高と絶賛されているトランペット奏者がいます。ウィントン・マルサリス。
 彼に関するこんな逸話を聞きました。彼がニューヨークのライブハウスでソロを演奏中、客席で携帯電話が鳴り出しました。曲が一番盛り上がる最後のフレーズに差しかかった瞬間、ちょっと滑稽な着信音が会場に鳴り響いたのです。聴衆はくすくす笑い出し、携帯電話の持ち主は、慌てて廊下に出ていきました。聴衆は興ざめし、せっかくの演奏は台無しかと思われました。ところが、この世界最高のトランペッターは、なんと着信音のメロディーをゆっくりと吹き始めたのです。そしてさらに転調しながら、見事なプラソディーを奏でたというのです。
 数分間続いたこの即興演奏に聴衆は、完全に心うばわれてしまいました。そうしているうちに、元の曲の最終フレーズに戻って、マリサリスの素晴らしい演奏は終わりました。聴衆は拍手喝采。彼はお客の失敗を、名演奏に変えたのです。彼の演奏家としての実力もさることながら、人間としての魅力に私は感動しました。
 人生も同じです。私たちの人生の中には、さまざまなハプニングが起こります。時にこれらは、自分の人生にあってはならない迷惑な雑音のように聞こえます。しかし、「すべては最善のために起きる」と一元の世界に生きるとき、あなたならではの名曲が奏でられていくのです。

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