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悲しめるようになった

菊地茂

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 本日は、仙南信金外3信金合同企業交流会へ出席するため、石巻へ行きます。また、夕方は東北学院仙台同窓会総会と新年交流会に出席いたします。

 今日は、金藤晃一先生の言葉のご紹介です。

 最近、40代・50代の男性のクライエントの方が、カウンセリングの中で思わず涙されるという場面によく遭遇します。不覚にもといった感じで涙する男性たち。不意に流れる男性の涙に、正直、私自信驚きます。そして涙した本人もまた驚かれます。
 震災から一年以上経って、「ようやく悲しめるようになった」というのがその涙の理由だと私は思います。この一年数ヶ月、あわただしく様々なことをしなくてはならず、正直、悲しんでいる暇はなかった。弱音を吐いている場合ではなかった。「苦しんでいるのは自分だけではない。みんな苦しんでいるのだから、がんばらねばならない。」と、家族の長として、職場では後輩たちを励ましながら、男たちは必死で奮闘し続けてきたのです。
 しかし、震災から一年経って、無意識に封印してきた悲しみが、ようやく自分の意識に追いついてきたということなのでしょう。涙しながら、男性たちは、実はそれくらい“いっぱい、いっぱいだった”ことに気づき、驚くのです。
 その涙を通して、たとえそれが不快な感情だったとしても、色んな感情を味わえると言うことは、心の健康上とても大切なことだと教えられます。また、「悲しめるようになった」ということは、目の前の大きな問題をある程度乗り越えることができた事の証しかもしれません。「悲しんでいる人たちは、幸いである、彼らは慰められるであろう」(新約聖書)。

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