魂に悪いからやめなさい

　本日は午前中、NPO法人設立申請のご相談と建設業許可申請のご相談をそれぞれお受けいたします。午後は、心の障がい者の就労支援のご相談をお受けいたします。

　今日は、金藤晃一先生の言葉のご紹介です。

　援助交際の問題にたずさわっている方の講演を拝聴する機会に恵まれました。その方曰く、「彼女たちに決定的に不足しているもの、それは『このあるがままの自分が好き』という根本的な自尊感情です。自尊感情が無いので、結果的に自分を安売りするような行動に走ってしまうのです。だから、私が心していることは、『この自分が好き』という自尊感情を彼女たちに取り戻させることです。健全な自尊感情を持った女の子は、援助交際に走ったりしません。」
　ふと「援助交際は、“魂”に悪いからやめなさい。」というユング心理学者の河合隼雄先生の言葉を思い出しました。河合先生は「援助交際は、“体”に悪いからやめなさい。」とは言いませんでした。確かに援助交際を続ける限り、健全な自尊心は育ちません。だから「体」ではなく「魂」に悪いと河合先生は言われたのだと、その言葉の深みを味わうことができました。
　「最近は学校でも家庭でも“道徳”を教えなくなった。だから、若者たちのモラルが低下したのだ。」という論調があります。一理ありとは思うものの、私の中でずっと違和感がありました。問題行動に走る若者たちに欠如しているのは、“道徳心”ではなく、“自尊心”だと私は思います。健全な自尊心を育てることができたら、結果として、道徳心は自ずと生まれてくると私は信じています。