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つらい夜でも朝は必ず来る

菊地茂

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 本日は、仙台純福音教会の役員研修会に出席いたします。

 今日は、渡辺和子先生の言葉のご紹介です。

 希望には人生を生かす力も、人を殺す力もあるということをヴィクター・フランクルが、その著書の中に書いています。
 フランクルはオーストリアの精神科医でしたが、第二次世界大戦中、ユダヤ人であったためナチスに捕えられて、アウシュビッツやダハウの収容所に送られた後、九死に一生を得て終戦を迎えた人でした。
 彼の収容所体験を記した本の中に、次のような実話があります。収容所の中には、1944年のクリスマスまでには、自分たちは自由になれると期待していた人たちがいました。ところがクリスマスになっても戦争は終わらなかったのです。そしてクリスマスの後、彼らの多数は死にました。
 それが根拠のない希望であったとしても、希望と呼ぶものがある間は、それがその人たちの生きる力、その人たちを生かす力になっていたのです。希望の喪失は、そのまま生きる力の喪失でもありました。
 二人だけが生き残りました。この二人は、クリスマスと限定せず、「いつか、きっと自由になる日が来る」という永続的な希望を持ち、その時には、一人は自分がやり残してきた仕事を完成させること、もう一人は外国にいて彼を必要としている娘とともに暮らすことを考えていたのです。
 事実、戦争はクリスマスの数ヶ月後に終わったのですが、その時まで生き延びた人たちは、必ずしも体が頑健だったわけでもなく、希望を最後まで捨てなかった人たちだったと、フランクルは書いています。
 希望には叶うものと叶わないものがあるでしょう。大切なのは希望を持ち続けること、そして「みこころのままに、なし給え」と、謙虚にその希望を委ねることではないでしょうか。

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