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エスカレーターの右側

菊地茂

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 本日は午前中、相続申請のご相談を、午後はシャロームの会とシャローム行政書士事務所の合同食事会に出席いたします。
 
 今日は、金藤晃一先生の言葉のご紹介です。

 日本の都会の駅でよく見られる光景ですが、エスカレーターに乗ると、人々は暗黙のうちに右側には立たないで左側に立ちます。空いた右側の部分は、急いでいる人がエスカレーターを駈け上がったりするための配慮です。法律で決められているわけでもないのに、日本のどこにいっても、ほぼ、このルールは見事に機能していることはある意味驚きです。
 ある人は、この光景を見て「日本はなんと忙しくなってしまったのだろう。そんなに急いでなんになる。エスカレーターに乗っている時間まで日本人は待てなくなってしまったのか」と、この現象を否定的にとらえて、ご自身のご本の中で憂えておられました。
 しかし、また別の方は、この光景をみて「さすが日本人。これぞ日本人の人々を慮るやさしさだ。」と絶賛していました。わたしはこの二人の反応の違いを見て、つくづく物事をどう受け止めるかで感じ方は全く異なってくるのだなと思いました。二人とも見ているものは同じです。右側だけ空いたエスカレーター、左側には立っている人々。右側は駈け上がったり、下がったりしている人々。それに対して日本を憂える人もいれば、日本人のやさしさを感じる人もいる。大切なのは、物事を一面だけで見ず、様々な角度で見る態度です。生活は、物事を多面的に考える最高の道場です。


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