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ぬくもりに甘んじてはならない

菊地茂

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 本日は、仙台純福音教会の主日礼拝に出席いたします。

 今日は、前島誠先生の言葉のご紹介です。


 時に主はアブラハムに言われた。「出でよ、お前に向かって―お前の国から、お前の親族から、お前の父の家から、わたしの示す地の方へ」  [創世記・12章1]


 寒い季節になると、朝ふとんのぬくもりから抜け出すのにも小さい勇気がいることに気づくでしょう。そのことは、自分の日常の生き方にも関連しているのです。
 できれば楽をしたい―これが人間の偽らざる心境でしょう。状況に甘んじて流されていれば、波風に当たることもなく、なんとか安穏に暮らしていける。なるべくそのなかに安住していたい。だれしも考えることです、しかし、聖書は教えます。「お前は出でよ」と。
 どこから出ろというのでしょうか。自分のぬくもりから、なんとなく周囲に妥協する安易な気持ちから出ていけというのです。
 学校や職場、親族や家庭というものは、往々にしてなれあいの場となりがちです。そこから出て自分ひとりになること、これが聖書の教える人の道です。
 神とともにとどまるには、少数者であることが必要となる。多数者のなかで、時流に反して孤立することもある。アブラハムがハランから離れたように、われわれも時には、「出ること」、そして「自分に向かうこと」への決断を求められているのです。


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