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御国とは何か―主の祈り③

菊地茂

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 本日は午前中、シャロームの会「松島いやしの家」の工事完了検査に立会い、午後はNPO法人会計基準導入セミナーへ出席します。尚、夕方はイタリア精神保健セミナーでお話をいたします。

 今日は、前島誠先生の言葉のご紹介です。

 〈主の祈り〉解説その三です。
 「御国」とは何でしょうか。ヘブライ語でこれを〈マルフート〉(王国)と言います。その意味は「われわれの住んでいるこの世界が、神の支配の下に入ること」です。
 福音書には「御国」のほかに、「天国」「神の国」「天の国」など、さまざまな表現が使われていますが、内容はすべて「神の支配がこの地上に及ぶこと」なのです。
 さてこの句は、後半のどの句と関連するのでしょうか。それは「われらが人を赦すごとく、われらの罪を赦したまえ」(6章12)につながります。お互いに赦し合う国、それがここで言う「御国」なのです。
 日本語では「赦すごとく」とありますが、マタイ原形のニュアンスは、「わたしたちは人の負い目を赦しました。わたしたちの負い目を赦してください」となっています。人を赦すことが赦しの条件ではなく、すでに行われた事実とされている点にご注目ください。
 心を固く閉ざさないまま放置すれば、自分が罪を裁く絶対者になってしまいます。まず自分から行為を始めること、そうすれば、互いに赦し合う「御国が来る」というのです。


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