Mybestpro Members

菊地茂プロは河北新報社が厳正なる審査をした登録専門家です

われらの父よ・・・―主の祈り①

菊地茂

菊地茂

 本日は、昨日に引き続き日伊メンタルヘルスセミナーに出席いたします。

 今日は、前島誠先生の言葉のご紹介です。

 天に在しますわれらの父よ・・・・ [マタイによる福音書・6章9]

 ここから数回に分けて、〈主の祈り〉の解説を試みます、最初にまず呼びかけのことば、「父よ」を取り上げましょう。
 福音書に伝えられる〈主の祈り〉二つあります。マタイ型とルカ型の二種類です。ルカ型(11章2-4)は短く簡潔で、これがマタイ型の原型だったことは、まちがいないでしょう。ミサ典礼はマタイ型を正式なものとして採用、現在に至っています。
 さて引用句はマタイ型です。
 この部分、ルカのテキストでは単に「父よ」となっています。「天に在します」という修飾語はマタイが好んだ表現、「われらの父」はユダヤ人が神を呼ぶときの普通の言い方でした。
 イエスが単に「アッバ」(父よ)と呼びかけたとすれば、そこにはどういうニュアンスが込められているのでしょうか。
 父親を呼ぶのに、子どもは「とうちゃん」と言います。「アッバ」という呼びかけは、幼児語の「とうちゃん」に当たるのです。また大人が使用した場合は、さしずめ「オヤジ」といったところ。自分の父親にかぎらず、先生や親方、長老などに対しての呼びかけでもありました。
 余分な力を抜き、自分を空にして投げ出すこと―これが祈りです。〈主の祈り〉を唱えるとき、自分の無力さの中に立ちましょう。それが「父よ」の心なのです。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

菊地茂プロは河北新報社が厳正なる審査をした登録専門家です

プロのおすすめするコラム

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

人との関わりを大切にする法律のプロ

菊地茂プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼