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光は深いやみのうちでこそ輝く

菊地茂

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 本日は午前中、仙台純福音教会の主日礼拝に出席し、午後は、第58回CDA東北地区大会で「精神障がい者の就労支援をとおして人生が豊かにされる喜び」というテーマでお話をさせていただきます。

 今日は、前島誠先生のことばのご紹介です。

 地は形なく、むなしく、やみが深い淵のおもてにあり、神の霊が水のおもてを漂っていた。[創世記・1章2]

 神が創造のみ業に入る以前の状態―それは一体どのようなものだったのか。聖書はこれを簡単に語ります。
 一行目、原典では〈トフー〉(形無し)、〈ヴァ・ボフー〉(そして中身無し)となっています。中身はご自分なりに、受けとめるだけで十分です。ちなみに新共同訳聖書は、二つをまとめて「混沌」と訳出しています。問題はこの後に続く二行でした。
 ヘブライ語では同じ内容を異なる表現でくり返すのが好まれます。(同義並行法)。引用で言えば「深い淵」と「水」、「やみ」と「神の霊」はこれに当たります。
 最初からあったのは水でした。これは実に面白い―そう思われませんか。さらに水の上を、やみと神の霊(息吹き、風)が連動している。目を閉じれば、原初のやみに包まれた世界が浮かびそうな感じです。
 音の前に沈黙があるように、光はやみにこそ輝きます。そして神の霊力は、その中を風のように吹き過ぎるというのです。
 人は人知れず、心の奥にやみを抱えているものです。時として重く苦しい。しかしやみが深ければ深いほど、人はその中に一条の光を見るというのです。


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