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サモアでの話

菊地茂

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 本日は午前中、精神障がい者の就労支援のご相談を、午後はNPO法人仙精連会員懇談会で「イタリアの精神保健」についてお話をいたします。

 今日は、坂口明先生のことばのご紹介です。

 さだまさし作詞・作曲の「風に立つライオン」という曲があります。それは、アフリカのケニアでボランティアとして実際に医療活動を行ったあるお医者さんのことを歌った曲です。その方は、大事な人を一人日本に残して、アフリカの人々を救ううために行かれたのでした。そして、その人への手紙というシチュエイションで曲は書かれています。その歌に出会って、青年海外協力隊に参加する決心をしたという人たちに出会ったこともありました。
 その曲の一節に「あなたや日本を捨てたわけではなく、僕は今を生きることに思い上がりたくないのです。」という言葉があります。8分もの長い曲ですが、私はいつも歌がそのところまで来ると胸がグッと詰まってしまうのです。「今を生きることに思い上がる」とはどういうことなのでしょうか。日本のような先進国で暮らすということが思い上がるということにつながるのでしょうか。確かに日本で「普通」と思っている生活が、途上国ではものすごく豪奢な生活であったります。そして、私たちは与えられていることを当然のごとく受け止め、感謝などしていません。そのような思いから抜け出るには、思い切って一度その価値観を離れる必要があることを言っているのかもしれません。
 私は、サモアでの生活を知ってから、食事に一切の好き嫌いはなくなりました。十分な食事が食べられることの幸せをそこでの生活を通して知りました。ただ、「もったいない。もったいない」と何でも残さず食べるので、メタボにはなりました(笑)。

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