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本物の誠実

菊地茂

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 本日は、ヴェローナ大学で講座を受講して、南ヴェローナ精神保健センターの視察をいたします。尚、事務所では、建設業許可申請と一般財団法人設立に関するご相談をお受けいたします。

 今日は、井出かほる先生の言葉のご紹介です。

 作家の曽野綾子さんが、御著書の中でこんな事を言っていました。「私は病気や貧困から抜け出られない人と日常を共にしている医師やシスターたちを見てきた。その人たちは、病人の手を長く握っているような、人情的な光景を見せることは希であった」。
 私はこの文にハッとさせられました。私自身、忙しい業務に追われ、“人の心”を大切にする仕事をしているはずなのに、なかなか心を込めて人に接することができない、未熟なbeingに日々歯がゆさを感じていました。そんな私だからこそ、この文が目に飛び込んできたのでしょう。
 「私(曽野)さんのような外部者だけが、限られた時間なら孤児たちを抱いてもいられるが、そこで働く人には、ほとんどそんな暇はない。・・孤独な臨終を見送り続けた神父は、彼自身、患者から感染した結核で亡くなられた。しかし、その神父といえども、人情的な場面など私に見せたことがない。命がけの本物の誠実は、たぶん、外部には見えない行為なのだ」。
 心を込めて誠実に事をなすことは大切です。しかし、もっと大切なことは命をかけることです。本物の誠実は、外には見えません。今日も与えられたことを精一杯させていただこうと心新たにしました。
 「わたしたちは、見えるものにではなく、見えないものに目を注ぐ。見えるものは一時的であり、見えないものは永遠に続くのである。」(新約聖書)


 

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