否定のはじまり

　本日は、東京都青梅市にありますケアホームの視察へ行きます。

　今日は、長嶺由宇先生の言葉のご紹介です。

　精神科医ミルトン・エリクソンによるミルトン・モデルという治療法の中に「否定命令」という興味深い考え方が出てきます。それによりますと、私たちが何かを見たり、聞いたり、感じたりした時には「否定」は存在せず、そこに言葉が加わることによって「否定」が存在するというものです。
　例えば、公園で空を見上げるという行為には、空を見るという体験だけがありますが、「空を思い浮かべないで下さい」と言われると、まず空を思い浮かべてから、否定するという作業に入るということです。
　ですから、禁煙中の御主人を褒めてあげようとして「今日も煙草吸っていないの？偉いわねえ」と奥様が言ったとすると、その一言によって、御主人は、煙草を吸うことをまた思い浮かべなければならなくなるということになり、非常に苦しくなってしまうということになります。
　「この仕事は大事だから、失敗しないように！」と言われますと、まず失敗するということをイメージさせて、それを打ち消すように仕向けていることになります。「この仕事は大事だから、みんなで成功させよう！」と言われると皆の気持ちの盛り上がりが違いますね。
　言葉の使い方による影響力は計り知れないものがあります。肯定的な表現は心だけでなく、体にも良い影響を与えます。前向きな言葉や表現があなたの人生をより豊かにします。