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人の心は神の似姿

菊地茂

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 今日は、前島誠先生の言葉のご紹介です。

 神はまた言われた。
 「われわれにかたどり、われわれに似せて、人を造ろう。そして海の魚、空の鳥、家畜、地の獣、地を這うものすべてを支配させよう」
 神はご自分にかたどって、その人を創造された。[創世記・1章26-27]
 
 これは天地創造の六日目、人間の創造についての創世記の一節です。
 ヘブライ語原典では、創世記のことを「ベレシット」(はじめに)という名称で呼んでいます。文字どおり聖書全巻の第一書であり、それ以上に万物のはじめを語るという意味で、ふさわしい名称でしょう。
 人間は神のかたちに造られたものであると聖書は教えます。
 「われわれに」という表現は、原文では「神」という語が大切なものを表現するときに使われる複数形のエロヒームになっているため、それに数を合わせたものです。
 さて、神に「かたどって」造られたというのは、どういう意味でしょうか。
 人間の顔や姿が神に似ていると解釈した人もいました。しかし、これはあまり適切とは言えない。ユダヤ人はかたちがなく、純粋の霊であると考えていたからです。
 この句の真意は、人間の心が神に似せて造られたという点にあります。人の心は、折にふれて少しだけ神に似た心になるというのです。


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