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千年も昨日のごとく過ぎ去る

菊地茂

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 本日は、仙台純福音教会の主日礼拝に参加いたします。

 今日は、前島誠先生の言葉のご紹介です。

 あなたの目には千年も
 過ぎ去ればきのうのごとく、
 夜の間のひと時のようです。  [詩編・90編4]

 西暦二○○○○年を迎えたときの熱狂はまだご記憶のことと思いますが、今回はそれにまつわるお話です。
 「千年」という表現は、聖書には詩編とコヘレトの言葉(伝道の書)の二箇所にしか出てきません。その一つをここに引用しました。
 ヘブライ語原典で「千年」は〈エレフ・シャニーム〉。時の長さを示す表現では、聖書中これが最大です。昔の人はこれ以上の年月を考えなかったのでしょう。従って「二千年」ということばは出てきません。
 「ひと時」は〈アシュムラー〉(夜番)とあります。この時代「夜の間」を、初更、中更、暁の更
と三つに区分し、夜警の交代を行いました。そこからその一つの長さを〈夜番〉と呼ぶようになりました。
 注目したいのは、この「夜番」が「きのう」と二重がさね―同義並行法―になっていることです。聖書はここで何を教えようとしているのでしょうか。
 こだわりを去れ。夜番が目をこらそうと、千年も一夜の夢。夜が明ければ、すべては昨日の幻となるのだ、というのです。
 この詩編は、エジプト脱出翌年の正月、幕屋完成祝典の讃歌として歌われたと伝えられています。

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