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一生忘れないもの

菊地茂

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 本日は午前中、シャロームの会主催ボランティアセミナーで「心の障がい者への関わり方」についてお話をさせていただきます。また午後は、ボランティア交流会に出席いたします。

 今日は、田中信生先生の言葉のご紹介です。

 一万円札で有名な福沢諭吉は、医学を橋本佐内(さない)という同級生と共に学んでいました。佐内はとても優秀で、どんな時にも怒らない人でした。ところが夜になると、いつもいなくなるのです。諭吉はこう思いました。「どこかで息を抜かなきゃやっていけない。夜遊びにでも行くんだろう」。
 ある晩、佐内の後をつけて歩いて行くと、遊び場も過ぎて、町外れまで来ました。そして橋のあたりを見まわすと、橋の下に降りて行ったのです。そこには貧しい人がたくさんいました。佐内は風呂敷包みを開け、彼らに一生懸命、医療を施し始めたのです。
 諭吉は自分の心の醜さを恥じ、「本当に申し訳ない。自分はなんという人間だ」と、佐内に詫びました。すると、佐内はそれをかばうようにこう言ったのです。「とんでもない、こっそり自分が習った事を練習しに来ているのであって、そんなお前の考えるよな高尚な考えで来ているのではない」と。
 諭吉は、この佐内のやさしさに感動しました。自分の非をかばわれ、包み込む温かい心を人は一生忘れません。

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