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心に傷のない人間には魅力がない

菊地茂

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 本日は、仙台純福音教会の主日礼拝に出席いたします。

 今日は、前島誠先生の言葉のご紹介です。

 悲しみは笑いにまさる。
 顔に憂いをもつことによって、心は良くなるからである。
 賢い者の心は悲しみの家にあり、
 愚かな者の心は楽しみの家にある。  [コヘレトの言葉・7章3-4]

 人に魅力を感じる要素は様々です。
 それも、人によって感じるポイントが異なっているものです。外見のよさ、頭のよさ、センスのよさ、人柄のよさと、見るところはその人の好みに応じて違います。どこに目をつけるか―これがその人間の性格を表すといってもいいでしょう。
 しかしそれとは逆に、だれにとっても共通して魅力と感じられるおのがあると、わたしは思うのです。それは、心に憂いを持つことです。
 心に傷のない人には魅力がありません。他人の心の傷がわからないからです。
 自分が深く傷ついていれば、他人の心の傷にも敏感になれるのです。悲しみや憂いを持つことによって、人ははじめて人となるのでしょう。引用句の「顔に憂いを」と」いうのは、痛みや傷によって心に憂いを持つことを指すのです。
 よく言われるように、優しさという字は人を憂うると書きます。どこまで他人の痛みを自分のものとできるか、これがポイントでしょう。コヘレト(伝道者)の語るこの句の意味を、よくかみしめたいものです。


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