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後で文句を言う愚かさ

菊地茂

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 本日は、仙台純福音教会の主日礼拝に出席いたします。

 今日は、前島誠先生の言葉のご紹介です。

 自分の見解に自信を持ち、
 言うことを首尾一貫させよ。
 聴くにはすばやく、
 返答にはじっくり時間をかけよ。
 意見があるなら朋(とも)に答えよ。
 さもなくば手を口に当てよ。     [シラ書・5章10-12]

 「シラ書」(ベン・シラの知恵)は、箴言や「コヘレトの言葉」(伝道の書)と並ぶユダヤ知恵文学の一つで、前二世紀頃の作と推定されています。
 内容は、人生論で、日常生活全般にわたって詳細な指針を提供してくれます。箴言に比べると、はるかに具体的でわかりやすく、豊かな発想と教訓に満ちたものです。著者のベン・シラという名は、「シラの子」という意味。多くの民族に見られる習わしで、父の名を自分の呼び名にしたものです。本人自身の名は、イェシュア、たまたまイエスと同名でした(ちなみにアラビア語では「ビン」「イブン」がこの「…子」に当たります)。
 現在この書は、旧約聖書続編として新共同訳聖書に収録されています。ぜひ一度ご通読いただきたいものです。
 さて今回のポイントは、最後の二行にあります。われわれの日常は、意見があるのにはっきりとそれを主張せず、あとになってからグズグズとむし返したりする。それくらいなら最初から言えばよいのに。その時には言えない、どっちつかずの姿勢です。
 聖書は教えます。「手を口に当てよ」と。言いたければその時に言う、言わなかったのなら、あとから口に出したりしないように黙していろ、というのです。

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