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絶望の前で主の救いを叫ぶ

菊地茂

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 本日は、仙台純福音教会の礼拝に出席いたします。

 今日は、前島誠先生の言葉のご紹介です。


 わたしは山に向かって目をあげる。
 わが助けは、どこから来るであろうか。
 わが助けは、天と地とを造られた主から来る。  [詩編・121編1-2]

 聖書の言葉に接するとき、大事な留意点が一つあります。それは、どのような状況の中でそのことばが語られたのか、そのことばから、作者はどういうイメージを頭に描いていたのか、という点です。
 「山」と聞いて、何が思い浮かぶでしょうか。たぶん、緑深く美しい稜線を引いた姿ではないでしょうか。自分をそのふところに受け止めてくれる安らぎのイメージ、「故郷の山はありがたきかな」という感覚でしょう。その感覚で引用句を読もうとすると、作者のイメージからは遠くかけ離れたところへ行ってしまいます。
 砂漠の民が見た山は、死の世界でした。草木一本育たない場所、あらゆる生命を拒絶する恐ろしい岩の連なり、それが山だったのです。ユダヤの詩人が「山にむかって目をあげ」たとき、彼の心に浮かんだのは絶望と恐怖でした。しかし彼は言いま、「わが助けは…主から来る」と。
 この発想を心にとめたいものです。絶望の山の前に立つからこそ、人は主の助けを呼ぶのです。


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