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紫の木

菊地茂

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 本日は午前中、中小企業等グループ補助事業を検討されている会社のご相談をお受けいたします。また午後は、仙台商工会議所の会員交流会に主席いたします。


 今日は、金藤晃一先生の言葉のご紹介です。



 ある小学校でのお話です。校庭の木々の緑がまぶしく感じられる季節。先生は絶好の写生のチャンスだと思い、生徒たちに、一番好きな木をスケッチブックに描いてくるようにといいました。子どもたちは、各々自分の好きな木を描き、色を塗って先生のところに持ってきました。当然ですが、ほとんどの子たちは、木の葉っぱは緑、幹や枝、張り出した根っこなどは茶色に塗っていました。ところがある一人の生徒が描いた木の色は、なんと紫でした。
 驚いた先生は、その理由を聞くと、その子は「一番好きな木だから、一番好きな色を木にあげたの」と答えたそうです。常識的に考えれば、紫の木などあるはずがありません。
 しかし、その感受性に感動した先生はその子にこう言いました。「いい成績はあげられないけれど、先生はこの絵をすばらしいと思うよ」と言って、紙で作った金メダルを、こっそりその子にあげました。そのお子さんは、その後美大に進学し、今画家の卵となっています。あの紙のメダルを首に下げた写真を先生に贈ってきたそうです。
 常識にとらわれすぎると、私たちは相手の可能性の芽を摘んでしまうことがあります。様々な視点で、自分や相手を見つめ、可能性を引き出す人間性を育てていきたいものです。


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