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フロイトの心意気

菊地茂

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 本日は、異業種交流会で心の障がい者の就労支援活動についてお話をさせていただくため、上京いたします。


 今日は、金藤晃一先生の言葉のご紹介です。


 ジークムント・フロイトは、精神分析学の創始者です。彼がいなければ、今日のような心理学の発展はありえなかったでしょう。彼は学者として精神分析を深め広めると同時に、一精神分析医として、一生涯人生をクライエントの方々にささげ尽くしました。
 彼は50代の頃、上顎の癌に苦しみ、十五回も手術を受け、30年以上闘病生活を続けました。それだけでも大変なことなのに、彼は、癌の痛みの中でも、鎮痛剤を全く使わずに、クライエントの方を最後まで診たそうです。やがて末期癌の苦痛の末、自分の最後を悟ったフロイトは、かねてから依頼していた医師に頼んで、モルヒネを打ってもらい、そしてホッと息をついて、翌朝天に召されました。
 癌の苦痛に最後まで耐えぬいてクライエントの方を診たというフロイトは、精神分析医として学問の世界の人であっただけでなく、人の痛みを感じとることのできた人であったと言えるでしょう。自分自身苦しんでいるからこそ、苦しみの中にいる人を理解することができる、そんなフロイトの心意気が伝わってくる逸話だと思いました。
 私たちの人生には、予期せぬ苦しみに遭遇することがあります。ときにはなぜそれが、自分の人生に起こらなければならなかったのか分からないことが多々あります。しかし、ひとつだけ言える事は、苦しみにあった人は、苦しみの只中にいる他者を理解することができるということです。そのために苦しみはあるのかもしれません。



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