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絶望の時に培われるもの

菊地茂

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 本日は、一般社団法人設立とNPO法人設立認可申請に関するご相談をお受けいたします。
 また、NPO法人シャロームの会では心の障がい者の方々との交流会を開催いたします。


 今日は、井出かほる先生の言葉のご紹介です。


 「人は、何かしら良いことができる間は、自ら死んではならない」。プルタークの英雄伝に出てくる言葉です。
 この言葉に、絶望の淵で励まされ師を思いとどまった人がいます。「田園」や「運命」など数々の名曲を世に送り出した作曲家ベートーベンです。彼の苦労は筆舌に尽くしがたいものでした。父親はアル中。よく道ばたに倒れている父を背負って帰ったそうです。17歳の時、母を亡くしたベートーベンは、弟たちを養うためにピアノ教師をはじめます。二度の辛い失恋を経験し、25歳から難聴が激しくなります。音が命である音楽家にとって耳が聞こえないという苦悩は計り知れないものがあります。
 プルタークの言葉に出会ったのは、その絶望のただ中に彼がいるときでした。驚くべきことには、彼の数々の傑作はこの時以降に生まれました。特に「第九」は、聴力を失いながらもなお前進し、彼が最後に作った曲です。
 私も20代の頃、絶望のただ中にあり、すべての景色が白黒にしか見えないというときがありました。ある方から「もうダメと思ったら、身近な人に何かしらできることをしなさい」と教えていただき、「会う人々に笑顔で挨拶すること」を意識していくうちに、苦悩をなんんとか乗り越えることができました。その体験が今の私の原点です。
 「人間が気品高く、高貴に生活することによって、あらゆる困難に耐えることを証明したい」(ベートーベン)。



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