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三つの「きく」

菊地茂

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 本日は、永住許可申請と国籍帰化許可申請それそれのご相談をお受けいたします。


 今日は、高木裕樹先生の言葉のご紹介です。


 しゃべらないアナウンサーの遠藤泰子さんは、永六輔さんとの出会いをこう言っておられます。「最初に永さんがおっしゃったのは、『とにかく前に座っていてくれればいいから』でした」。以来30数年、永さんの前に座り話しを聞き続けておられます。遠藤さんは、聞きながら相手の心理状態を察して、どのように相づちを入れるか、短く質問するかしないかを判断なさるそうです。
 「きく」には、「聞く」「訊く」「聴く」と3種類の意味を持つ「きく」があります。第一の「聞く」は、自分が聞く意思がなくても、聞こえてくることの意味です。
 次に「訊く」です。「訊く」は、自分が知りたいこと、自分が質問したいことを、相手に尋ねるように訊くことです。ただ、刑事が犯人を取り調べるような訊き方にならないように注意しましょう。
 最後に「聴く」は、相手の言っている「言葉」だけでなく、「言葉の背後にある気持ち」を聞く聞き方です。能動的に聴くことです。相手の気持ちに寄り添って、理解しようとして、聴かせていただく姿勢を持って耳を傾けることです。漢字からいうと、「十人の目と心を持って耳を傾けて聴く」ことです。
 きき名人を目指したいものです。



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