あなたは大切な存在

　本日は、認定NPO法人制度改革セミナーに出席いたします。

　今日は長嶺由宇先生の言葉のご紹介です。

　今秋、米沢においで下さる社会評論家・芹沢俊介先生は、昨今の犯罪を犯す若者の心理を独自の視点から論評されています。先生が、よく使われる「自己領域性」という言葉があります。これには、他者の自己領域への不可侵、不介入という暗黙の原則があると言ってられます。
　先生は、月に一度、数人の若者たちとテーブルを囲んで議論する機会をもっておられます。ある時、一人の若者が「コンビニの前にたむろしているヤツらはみな暴力的だ」と発言した際に、先生がその意見に対して、少しそれは乱暴すぎやしないかと意見を述べたところ、一ヶ月後に、「あなたに傷つけられたので謝ってほしい」と言ってきたというのです。あなたに私の意見を否定された、それで傷ついた、あなたに暴力で仕返しをしようかと考えたが、僕は平和主義者だから、思いとどまった。この青年の論理が、青年自身の自己領域性に根拠をおいており、先生の意見は、彼の自己領域への侵犯とみなされたというわけです。
　さらに先生は、昨今の若者による無差別殺傷的な犯罪の抑止力となるのは、一人一人の自己領域に基づいた他者存在を肯定し、受け入れていくことだと述べておられます。
　「あなたはあなたでいい。あなたは大切な存在だ」と私たちが、自分に他者に語りかけていくことは、必ず若者たちにも伝わるに違いありません。