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人生は空しいだから愛を求める

菊地茂

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 今日は、中村芳子さんの言葉のご紹介です。

 ソロモン王は、人が何のために生きるのかを究めようと、ありとあらゆる快楽を求めたとされる。そしてたどりついたのが、何をやっても「すべては空しい」という結論だった。
 苦労して働いても結局は死んでしまう。次の代も同じことの繰り返しだ。賢者にも愚者にも同じことが起こり、死んだら忘れ去られる。善人がその善のゆえに滅びることもある。
 だから生きているこの時に、自分が働いて得たものを食べて飲んで楽しもう、と。
 書いてあるのは『コヘレトの言葉』という書で、コヘレトとは道を探し求めるという意味。そして、すべてに耳を傾けて得たこととして、著者はこう書き結んでいる。
「神を畏れ、その戒めを守れ。それこそ、人間のすべて」
 神を畏れるとはなんだろう。日本人が昔から「お天道様に顔向けのできないことをしない」と教えてきたことに通じるかもしれない。戒めとはなんだろう。モーセの十戒(50ページ)とも、イエスの「神を愛し、人を愛せよ」という教えともとらえることができる。
 生きる空しさを味わってこそ、神や愛を知ることができるのかもしれない。


なんという空しさ。
なんという空しさ、すべては空しい。      コヘレトの言葉1:1







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