行き先不安克服法

　本日は、NPO法人シャロームの会で運営しております精神障がい者の就労訓練施設、カフェ・ギャラリー「太陽とオリーブ」の土曜営業日です。皆様どうぞご利用下さい。

　今日は、金藤晃一先生の言葉のご紹介です。

　心が健康なときに、自分の将来について考えることは健全な事です。しかし心が風邪をひいているときに自分の将来の事を考えると、その将来の自分と今の現実の自分との落差があまりのも大きすぎて、さらに心の調子を崩すことがあります。将来の夢が巨大な不安に変わるものです。
　そんな先行き不安でいっぱいなクライエントさんにこんな質問をしてみました。「今も大変ですけど、以前もっと大変な状況はありませんでしたか？」。すると「ありました」とおっしゃいます。そこで「そうやって乗り越えたんですか？」と伺うと、「いや～とにかく先を考えてもどうしようもないから、とりあえずそのとき自分ができることをやっていたらなんとかなりましたね」とご自分で素晴らしい答えを出してこられました。
　先行き不安で心がいっぱいなときは、先行き不安はそれこそ先に置いて、まずは、自分の過去を見つめてみることです。そこには明日を切り開く知恵が埋まっています。そして、今自分のできることを精一杯やってみることです。自分の過去に宝を見出し、今を大切に生きるとき、あなたの未来は自ずと開かれていきます。
　以前カウンセリングをしていた引きこもりの青年の言葉を思い出しました。「金藤さん。先ばっかり見ていたときは今が生きられなかった。でも今を大切に生きるようになったら先が見えてきた。」名言ですね。