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コンプライアンスの不徹底がもたらす損失。

菊地茂

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本日は、昨日お話に続きコンプライアンスの不徹底がもたらす損失とコンプライアンス・プログラム策定の必要性についてお話したいと思います。



『コンプライアンスの不徹底がもたらす損失』


建設業における不祥事として特に問題となるのは、入札における談合、手抜き工事、安全管理の欠如などです。
 企業の現場には、様々な誘惑があり、誘惑に対する備えを放置すればそこに不祥事が生じます。これからは、企業は徹底したコンプライアンスを実施していかないと、不祥事は、企業経営を破たんさせるほどの大きなダメージを与え、役職員個人も莫大な損害を負わなければならなく
なるでしょう。特に、営業活動を行う際に、従来は会社のためにやっていたということで大目にみられていた行為が、今は法令が厳しくなり、それが絶対に許されないこととなっていることに注意する必要があります。

 不祥事を行った企業の典型的な弁明理由の多くは次のようなところにあります。

①問題の情報が経営トップにあがってこなかった。
②問題を放置してはいけないという感覚が希薄だった。
③何を守らなければならないのかが、解っていなかった。
④責任と権限が不明確だった。特に管理責任の理解・自覚がなかった。
⑤自分勝手に問題の軽重を判断していた。
⑥ラインの管理者にまかせきりで、チェック機能がなかった。
⑦問題発生時の対応方法がわからず、問題を大きくしてしまった。
⑧コンプライアンス対策が形式的に流れていた。

 今後は、これらの違法行為を行った社員は、会社に大損害を与えたということで、懲戒処分の対象となり、場合によっては退職金が支給されないということも出てくるでしょう。


 『コンプライアンス・プログラム策定の必要性』 

 企業のコンプライアンス・プログラムの策定の意義は、主に次のようなものです。

●これからの企業存続のため不可欠の前提条件である。

●巨額な損失の防止(リスクの軽減)のため不可欠である。

●役員、従業員に対し明確な行動基準を示すことができる。

●従業員の平穏な生活の確保、優秀な人材の確保に役立つ。

●従業員の意識の向上、倫理観を高めることによる企業価値の向上、企
 業の遵法精神を対外的に示し、競争企業をけん制することができる。

※建設業許可をはじめとする各種許認可の取得及び維持は、コンプライアンス(法令遵守)経営の根幹をなすもので大変重要なものと言うことが出来ます。


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