仙台の行政書士より241121心のメッセージ
本日より、1988年5月より地元「仙台経済界」という雑誌に連載させて頂きました文章を皆様にご紹介いたしますのでどうぞご覧下さい。
『許せぬ国際結婚のブローカー』
今日も海外に出かける人、外国からやってくる人でごった返す「空の表玄関」新東京国際空港。カラフルなブーケに包まれた若いカップルがハネムーンに旅立っていく中で、これまたひと際若い外国人女性が数名降りてくる。入国審査も無事に済み関税を過ぎると、出口付近で彼らを待つ配偶者である日本人男性の群れ。このような光景が国際空港である仙台でも度々見受けられるようになっている。
確かに東北地方は、外国人登録者の中でも、配偶者として在住している人の割合が高い。それは「農村社会の嫁不足対策としての国際結婚」が行われている現状を物語ってるともいえよう。生まれ育った国からはるばる日本へやってきて、嫁として、また妻として母として健気に郷に慣れ親しもうと努力奮闘している彼女たちの姿には、時に胸を打たれる思いすらする。ところが、国境を国境を越えた自然な男女の出会いを、高額な金銭を介在した商売としてしまう「結婚ブローカー」なる者たちがいるのも見逃せない。
私の事務所に持ち込まれる国際結婚に関する案件は、それぞれに様々な問題を含んではいる。が、しかしビジネスとしての詐欺まがいの仲介だけは厳しく是正されるべきだと思う。
このような国際法務の仕事に数多く携わっていると、行政書士の仕事は「日本の人とその社会」にとどまらず、「外国人や彼らの社会」と日本の役所を結ぶパイプ役でもあることを実感する。このほかにも行政書士の仕事としては「許認可手続」を中心に「法務・経営アドバイザー」「相続アドバイザー」などと結構仕事は広範囲である。
二十一世紀には、いよいよ内需拡大や経済的規制緩和政策、行政改革が本格化される。そして行政書士のみならず、他の士業・業種においてもますます、自立型思考・先見性と決断力・優しさとボランティア精神等が必要になってくるのではないだろうか。限られた紙面を借りて、仕事の身辺のことなど報告したいと思う。
仙台経済界1998年5月~6月号より