新築注文住宅で後悔したくない人必見!流れを変える間取りの3ポイント
家づくりのハイライトは何と言っても間取りづくりではないでしょうか。
希望通りのマイホーム実現には間取りづくりがうまくいかなくては話になりません。
それではどうすれば理想の間取り案を作成できるか?
そこで家づくりを始めた多くの方が、気に入ったハウスメーカーの設計士に、希望する間取りのイメージや間取りづくりに必要と思われる細かな要望を沢山伝える事が重要だと考え、一生懸命に希望に叶う間取り実例を探したりリクエストとして伝える要望を整理したりと準備しているのではないでしょうか。
しかしながら、そんな努力も虚しく
「何度再作成しても肝心な要望が反映されず、希望通りの間取りがうまくいかない・・・」
家づくりの検討期間が遅々として進まず、疲れ果て家づくりが嫌になってしまったり
「希望通りの間取りだったはずなのに日当たりが悪いし使いづらい!」
マイホームが完成したものの、暮らし始めてみたらあちらこちらうまくいかない所だらけ・・・
こんな思いをしている方は意外に多いものです。
そんな失敗は何が要因だったのでしょうか?
中途半端な要望を並べたのでは無く、希望を整理し練り上げ要望として設計士にちゃんと伝えていたのならば、間取りづくりは準備万端うまくいくようにも思えます。
設計士の間取り作成能力の問題でしょうか?
勿論その可能性も捨て切れませんが、必ずしもそうとも言い切れないのです。
それでは何が?
実は希望要望を揃え過ぎた事がこうした失敗の要因となってしまうという現象は、間取り図作成の場面で珍しくないと言ったら奇異に聞こえますか。
「だって自分の要望を伝えなければ希望通りの間取りが出来るはずないじゃない!」
そんな異論が聞こえてきそうです。
ところがそううまくいかないのが間取りづくりの難しさ。
今回は希望要望の伝達と間取りづくりの関係について考えてみましょう。
・希望通りにいかない間取り作成のメカニズム
家づくりにおいて、住まいの理想を具体的な間取りの希望やインテリアデザインのアイデア、暮らしのイメージといった要望として細かに設計者への伝える事で設計士との間にコンセンサスが築かれ、間取りづくりが進められていく流れ自体に不自然さはありません。
では希望要望を揃え過ぎた事で間取りづくりがうまくいかなくなるケースとはどの様な成り行きなのでしょうか。
それは、「並べた希望要望」と「皆さんが認識していない考慮すべき要素」の並存が困難な状態から起こります。
皆さんが新築したマイホームでの暮らしで「こんなものがあれば便利じゃないか」「こんな状態であれば快適ではないか」と思い立った色々な希望やネット検索等を通じて目に留まった間取りのアイデアがランダムに設計士に要望として発信される場面は、多くの場合そのハウスメーカーとの契約前の段階でしょう。
十分に意図が伝わらないよりは沢山の情報を提供した方がより良い案に近づくのではないかとの思いが強くなるほどに、その情報の濃度は増してくるものです。
一方で受け手である設計士は、投げ掛けられた要望を漏らさず間取り案に取り込める様に作成作業にあたるでしょう。
なぜなら希望を満たしていない間取り案を提示し却下されれば、住宅契約自体がうまくいかなくなってしまう恐れを懸念するからです。
そうなると明らかにオーバースペックな要望や完成度からみて再考の余地のある意見であったとしても、無理をしてでも押し込もうとする窮屈な環境下での間取りづくりを強いられます。
なにしろぎゅうぎゅう詰めでプランニングするのですから各要素は十分には反映できません。
結果として、「一見希望を満たしているが面白味がない」「まとまりが無い」「プロとしての提案が希薄」「一番重視していた希望が盛り込まれていない」
といった満足度の低い間取り案に落ち着いてしまうという顛末です。
それでは「並べた希望要望」と「皆さんが認識していない考慮すべき要素」の対立とはどの様なものがあるのでしょうか。
- 間取りの希望と敷地のミスマッチ
- 間取りの希望と予算のミスマッチ
- 間取りの希望と実態のミスマッチ
3つの視点で整理してみると分かりやすいはずです。
・間取りの希望と敷地のミスマッチ
家づくりに土地の準備は不可欠です。
また、建築用の敷地の状態は一様では無く、所在、広さ、形状、環境、法規制といった条件は個々に異なります。
しかしながら、間取りの希望を考える時に建物のみに集中してしまい、敷地の存在を十分に考慮しないままに間取りづくりの前提条件を揃えてしまったらどうなるでしょう?
当然両者の間には整合性がつかない部分が起きてしまうかもしれません。
間取りづくりがうまくいかない時にはまずはここをチェックしてみたいものです。
具体的には次の2つのポイントで敷地を観察してみましょう。
敷地の状態
間取り単体で見た場合にどんなに希望通りの間取りであろうと、敷地をはみ出した状態では成り立たないのは勿論、過度に庭先空間を詰めれば日当たりにも影響しますし、道路が北方向で接しているのに玄関が南側ではちょっと敷地と噛み合っていない間取りといえるでしょう。
間取りづくりに際し参考にした他の新築実例等の間取り図のイメージに捉われ無理に採用しようとした時、希望と敷地のミスマッチから思う様にうまくいかないパターンはよく見られるところです。
同じ敷地面積でも形状寸法は様々ですし、接道具合、隣地との高低差といった間取り図作成の前提要素を考慮した上で希望要望との間に齟齬あるのであれば、柔軟に軌道修正する事も時には必要でしょう。
このテーマを解決するコツは間取り図を作成する時に間取り単体で描くのでは無く敷地を含めて描写する事です。
そうする事でどの部分が噛み合っていないのかの把握が容易になるはずです。
敷地の法規制
敷地の物理的な状態を把握し、間取りをその特徴に合わせていく事は必須なのですが、もう一つおさえておかねばならないのが法規制の確認です。
敷地の所在や状態により様々な建築設計上の法的な制限が影響する可能性があるからです。
敷地面積に対する建物の規模を制限する建ぺい率や容積率、建物の高さを制限する斜線制限、隣地境界と建物の離れを規制する壁面後退等、自らの敷地であったとしてもこれらを満たした状態でなければ建築工事は許可されません。
例えば建築する敷地面積が50坪、且つ容積率が60%に指定されていた場合、建築する建物は50坪×60%で30坪の延べ床面積が上限になります。
それに対して同じ50坪の敷地であったとしても、容積率が緩やかに指定されているのであれば床面積は35坪、40坪ともっと規模の大きな建物も可能であり、おのずと盛り込める間取りのスペックも変わってきます。
間取りの希望とこうした要件がバッティングしていれば、これも軌道修正を図らねばなりませんね。
・間取りの希望と予算のミスマッチ
せっかくのマイホームですから満足のゆく住まいを実現したいのは誰もが同じ気持ちなはずです。
家づくりが進むにつれ、叶えたい夢や希望が膨らんでくる事でしょう。
しかし!
アレもコレもと理想のままに希望を取り入れていけば間取りの規模も設備仕様もドンドン膨らみ、
「希望通りの間取り案ができた!」
と喜んだのもつかの間、営業マンから提示された見積書をみてビックリ!!
振り出しに戻り予算を意識しながら再度間取りづくりに取り組んだものの、前の案の様にはうまくいかない悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
間取りづくりの作業と比較し資金設計は住宅ローンの返済計画始め悩ましい話ばかり。
ついつい十分な検討を終えないままに楽しげな間取りの話に移ってしまうとこんな流れに陥るものです。
希望と予算にミスマッチが生じないか?
最優先で叶えたい希望は何か?
いたずらに我慢するのでは無く設計士に相談しながら要望の優先順位を整理していき、間取りの充実度合いを上げていくのがコツです。
・間取りの希望と実態のミスマッチ
家づくりで理想とする暮らしのイメージを要望として数多く上げていくと、相矛盾する要素の並立や実態は僅かなメリットに対し大きなデメリットを抱える案が含まれる事は珍しくありません。
勿論有効なアイデアで解決に至れる事が望ましいのですが、全てがその様に収まるとも限りません。
そんな中
「知恵を絞ればうまくいかない事も無いのでは・・・」
と深入りしても間取りづくりは遅々として進まずストレスだけが溜まり、家づくり自体に嫌気が差してしまう事も起こりがちです。
これの解決策は何と言っても前項でも掲げた希望の優先順位整理が肝心です。
設計士の助言を得ながら要望事項のプラスマイナス効果をチェックし、実態が最も理想に叶う要素から順位付けをするのです。
間取り図作成に入る前に希望要望のヒアリングを取り交わすだけで無く、その一つ一つについての設計士の意見も聞いておくのがよいでしょう。
・うまくいかない設計士の特徴
最後に問題になるのが設計士の技量です。
設計士の技量というと如何に沢山の希望を取り入れた間取りをつくってくれるスキルをイメージしていませんでしたか?
昨今多くのハウスメーカーの間取りづくりにおいて「お客様のヒアリングを重視する」手順を前面に押し出すスタイルが目につきます。
一見するとユーザーの意向に寄りそう好ましい姿にも映る事でしょう。
しかしながら、希望要望を十分に整理する事無く、全て皆さんの希望要望に忠実にプランニングを実施した時に、ここまで見てきた様な矛盾に突き当たる可能性は大です。
希望通りではあるけれど、付加価値に乏しい面白みの無い完成度の低い間取り案にとどまってしまっては、十分な満足は得られないのではないでしょうか。
技量豊かな設計士はとはむしろそれとは逆のアプローチを試みるスキルを持ち合わせている人物ともいえるでしょう。
皆さんの理想とする重要度の高い希望を察知し深い洞察を加え、要望をそのまま形作るのでは無く違ったアプローチで皆さんの思いも寄らない案を投げ掛けてくれる・・・。
新しい発見が皆さんの想像を超えるものであったならば間取りづくりはより深みが増してくるはずです。
そうしたスキルを持つ設計士探しもハウスメーカー選びのテーマになり得るのではないでしょうか。
但し、独りよがりのプランニングでユーザーはおいてきぼりではお話にならないのは言うまでもありませんね。
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