後悔しない二階リビング間取りとは?二階のメリットデメリットは何?
念願の新築一戸建てを注文住宅で建築するのなら誰もが理想の家づくりを願うはずです。
しかし、残念なことに思うような家づくりが叶わず、せっかくの新築計画に後悔を残す失敗談を耳にする事もあるのではないでしょうか。
新築注文住宅特有の後悔といえば間取りに関わるものが多いはず。
何故なら同じ新築でも建売住宅や中古住宅のように間取りが確定している家の住宅購入とは異なり、無の状態から間取りやデザインをつくりあげる新築注文住宅は企画次第で理想のアイデアを形にできるメリットの反面、建売住宅のように完成した姿を確認して選べない難しさも重ね持っているからです。
工夫に工夫を重ね最高のマイホームを目指したはずが、新居での暮らしが始まってみるとアッチもコッチもそれまで気付かなかった不満だらけ・・・。
こんな誤算が元で後悔しても時すでに遅し、なんて言うのではあまりに残念過ぎます。
これから新築の家づくりに取り組む方の中には、そんな新築注文住宅のマイホーム計画に不安を感じている方もいらっしゃるのでは?
そこで今回は、新築注文住宅の家づくりで後悔したくないあなたに、理想の間取りづくりの流れをプラスに変える3つのポイントをお話ししたいと思います。
間取りの後悔の原因は?
同じ一戸建ての住まいでも中古住宅や新築建売住宅と異なり、新築注文住宅は既定のものからの選択だけで無く、白紙から企画を作り上げる家づくりが大きな特徴であり魅力である事は前述の通りです。
となれば当然誰もが間取りづくりには力が入る事でしょう。
しかし、残念ながら完成した間取りに後悔を残してしまう方がいるのも事実。
その原因をたどれば、プランナーの設計力不足や要望整理の不備など、それらしい敗因分析がよく取り上げられます。
でも更に突き詰めると、そうした不具合の根本原因の多くが間取り作成の手順そのものに問題を抱えていたように私には思えます。
間取りづくりの流れがそもそもが理に適っていなかったのではないかという見立てです。
例えるならば美味しいお料理を作ろうという場面を想像してみてください。
色々メニューは思い浮かびますが、準備された食材は何が?買い足すにしても予算も青天井とはいきません。手の込んだ料理なら調理器具の準備や自分自身の腕前との相談も必要かも?
振舞う相手の好みや場のシチュエーション、複数メニューであれば相互の相性も考えますよね。
決して自分の嗜好だけで決めた料理では皆に満足してもらえるか怪しくなります。
調理の手順だって洗って、切って、下ごしらえをして、炒めてとスムーズな流れがあるはず。既に炒めてる最中に他の材料を洗い始めて…では焦げちゃってトホホホとなっちゃうかも。
こうした完成までに必要な一連の流れが備わり始めて美味しく満足のいく料理が出来上がるのではないでしょうか。
間取りづくりも流れが重要なのは同じ事。
全体のバランスや予算との整合性を欠いた希望が、他の選択肢の検討も無いまま理想だけ独り歩きしても、不十分な作業プロセスで作成された間取りでは高い完成度は期待出来そうにも無いという事です。
希望に近い間取りが出来上がったのに見積りを見たらビックリ!結局一からやり直し
確かに希望通りのデザインになったけどあちこち使いにくい間取り
一目惚れしてリクエストしたけど出来てみればこんなもの?
こうした後悔のフレーズの原因はこんなところに端を発しているのではないでしょうか。
特に住宅展示場やネット情報などを参考に集めた理想のアイデアが既に存在し、その実現を最優先に据えた流れでのプランニングはこうした落とし穴に陥りがち。
その原因と共に、どの様な手順で間取りづくりを進めれば理想の間取りに変える事が出来るのかを流れに沿って順に整理していきましょう。
① 予算案作成
マイホーム計画開始のきっかけはおしゃれなインテリアや素敵な間取りに憧れ、「夢の実現」が発端となる方も多いでしょう。
ハウスメーカーの住宅展示場の見学から素敵なアイデアを発見し「何とかして我が家も!」と夢見る姿に、担当営業マンも「夢が覚めない内に話を進めた方が得策」とプランニング作業をお互いにグイグイ進めて行く光景もよく見かけます。
こうした「理想」に向かってまっしぐらな場面では、得てしてコストは上がれど下がる事はありません。
この帰結は2つ。
一つは「理想」実現の陰で本来なら他の部分にも配分すべきコストが割愛され、トータルバランスを欠く企画に落ち着いてしまうパターン。
二つ目はこだわりの間取り案も完成し、見積りと共に住宅ローンの返済計画を含む資金計画の提示を受けてみたら、予算オーバーで振り出しからやり直しと言うパターンです。
一つ目は得てしてその発見は新築完成後フタを開けてからであり、それでは既に対処は手遅れ。二つ目も当初の理想の間取り案が頭から離れず、間取りを何度も何度も描き直しているうちに訳が分からなくなり、結果精度の低い案に収まってしまうというのはありがちな帰結です。
この失敗要因は、まず始めにしっかりとした予算案を固めずにプランニング作業を進めた流れに尽きます。
間取りはいくらでも可変性がありますが、予算には限りがあります。
ならば両者で優先すべきは縛りの強い予算であり、それに間取りの企画を合わせる流れが合理的ですね。
また、予算案作成を通じ業者との間にも予算のコンセンサスが築かれれば、お互いにその額を踏まえた現実的なプランニングを意識しながら話が進む事でしょう。
夢に現実性を持たせる鍵が予算案の作成であり、それに沿った流れから実現可能なプランニングに変えていくのが第一歩です。
②敷地分析
まずは予算案が完成した後、何に着手すべきでしょうか?
「ハウスメーカーに要望を細かに伝えること?」
こんな答えを思い浮かべるかもしれませんが、残念ながら違います。
次に大切なのは建築する敷地の分析です。
「敷地??」
と言う疑問が聞こえてきそうです。
何故敷地分析をここで行うべきか?
答えは予算案から間取りづくりを始めた理由と同じ。
敷地は可変性の無い事実そのものだからです。
土地の形や広さ、道路の位置・幅員、隣地の建物状況、周囲の高低差、これらはどれもその条件を前提とした上でしか間取りの企画は成り立ちません。
だとすれば、これもプランニング作業の前段で終えておく方が流れはスムーズに進められるでしょう。
それには敷地の状態を細かに知っておく必要があります。
具体的には先に挙げた外形的な特徴の観察に加え、敷地の長所短所になり得る要素を読み取る事も忘れてはいけません。
何故ならば完成した間取りが敷地の長所短所と対立する案であるならば、例えそれが間取り単体で見れば理想通りであったとしても、その敷地に建ち上がった後には当然矛盾を抱える事となるからです。
例えば敷地東方向の隣地空間にゆとりが有り午前の日当たりが期待できる土地に、自らの建物東角に玄関を設けた間取りであったとすれば、せっかくのLDKにその日差しをタップリと取り込む妨げとなり、その長所は充分に活かれず終わってしまいますね。
実は良案な間取りであればある程、立案のベースに敷地特性が色濃く反映されているものです。
③具体案の整理
さて、ここからはいよいよプランニングに取り組む為の具体案の整理です。
ここまでなんとなく頭に浮かんでいたイメージや強い希望のアイデアは有りますか?
まだ漠然として慌ててハウスメーカーへのリクエストを探し出す方もいるかもしれません。
既にプランニングに必要な前提とすべき条件整理は整ってますので、それらと明らかにバッティングしそうな案は修正を加えておけば後々慌てずに済みますね。
ところで、せっかくの新築注文住宅ですから更に素敵なマイホームへと進歩する案も試してみてはどうでしょう?
「でもそんなの思い付かないよ」
「もうやりたい事は決まっているから!」
でもちょっと待ってください!
世の中には皆さんのまだ知らない家づくりのアイデアが数多く存在するはずです。
これまで目の届かなかったもっと素敵な案が待っているかもしれません。
これを試してみないのは実に勿体ない話です。
問題はそれをどうやって探し出すかですね。
こんな時こそプロの手を借りてはいかがですか?
ハウスメーカーのプランナーのお手並みを拝見するのです。
少なくとも相手はプロ。
彼らの引き出しには皆さん以上のアイデアが詰まっていなければおかしいですね。
これを利用しない手はないでしょう。
但し、この場合皆さんがプランナーに伝える要望はあまり具体的過ぎては意味がありません。
だって「対面キッチン」「寝室にウォークインクローゼット」とリクエストしたところで、それそのものが間取りに組み込まれるだけでは意外性など期待できませんから。
「私の好みの色はブルーが大好き」
「休日は大画面でゆっくり映画をみたいな」
伝え方はシンプルに抽象的で構わないのです。
相談相手のプランナーがホンモノのプロならば皆さんに最適なアイデアを示してくれるでしょう。
反対にそこが物足りない相手であればそもそも役不足。
ハウスメーカー選びの見極め材料にもなります。
お試しになってみてはいかがですか。
良い間取りとロジック
さて、ここまで新築注文住宅の家づくりで後悔を残してしまった方々のもとをたどり、これから取り組む皆さんが注意すべきポイントを間取りづくりの流れに沿ってお話しいたしました。
間取りやデザインというと何となくその鍵を「ヒラメキ」や「センス」と言う言葉で想像されがちですが、これらに頼った感覚任せのプランニング程危ういものは有りません。
完成するまで成功の確証が持てないからです。
確実に満足のいく間取り案の完成には然るべきロジックが不可欠で有り、思い付きで進めてしまっては皆さんの新築したマイホームが実験場になってしまいますね。
良い間取りとは必然の上に出来上がるものなのです。
勿論、プランニング技術はこれにとどまらず更に深い奥義があるのですが、まずは今回お話しした間取りづくりにおける3つのポイントを押さえておくべきでしょう。
新築注文住宅はアイデア次第で皆さんの理想の暮らしが実現できる住まいです。
色々試してみたい間取りやインテリアを早くカタチにしてみたい逸る気持ちに一呼吸し、確かな流れで進めてみてはいかがでしょうか。