円安基調で株価好調、今後とも続くの?

三浦孝広

三浦孝広

テーマ:時事の経済コラム

 お客様先でこの質問を受けることが多くなりました。アベノミクスで円安基調の株価が好調。だが、それが今後も続くのか?どう思っているのか?個人的な意見を聞かれます。

市場は期待している

 まず現在の状況を整理すると、安倍首相がデフレ脱却を目指し経済政策の方針(3本の矢)を示した。3本の矢の内の一本「大胆な金融緩和」を受け、日銀は2%のインフレ目標を決めた。その実行に障害となると思われた日銀総裁が辞任された。
 これにより、為替市場は「大胆な金融緩和」を実行するのではとの期待が高まり、円が売られ円安基調になる。それまで、1ドル78円と異常な円高に苦しめられ経済活動が支障が出ていた輸出企業が、レートの差益で多少の利潤が出る。株式市場は今後とも円安基調が継続して輸出・生産企業が元気に利益を出すと思い、期待から株価が上がる。

 現在の状況・・・実はまだ何もしていない。市場が期待しているだけ。

株価は現在の経済力を示す??

 よく株価は経済力を示すと言いますが、それは現在の経済力ではなく、未来の期待する経済力を示しています。大雑把に言うと、円安が続く期待する人(投資家)が20%なら円安の継続が実現したときの2割程度の上げ幅、円安が続く期待する人(投資家)が50%なら円安の継続が実現したときの5割程度の上げ幅。
 つまり、未確定な期待値も含まれて形成しています。

本当に金融緩和ができるか??それがポイント

 今の経済の局面は、アベノミクスの「大胆な金融緩和」の1本の矢の期待で起きている。このことは、ニュースでインターネット証券の方が「以前は70%が外国人投資家、15%が国内投資家だったのが、最近は55%が外国人投資家で 35%が国内投資家になり、比べてもそん色ない位になりました。」と語っていた事からも伺える。つまり、日本人が「大胆な金融緩和」をして日本の市場が良くなる事を期待している。この局面が続くかどうかは、期待通りに「大胆な金融緩和」をするかどうかにかかっていると思います。

 ぜひ実行してもらいたいものです。

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