「親の判断能力に不安を感じる方」のための遺言書の書き方
遺言書を書く時必要な老後の暮らしに関するチェック
こんにちは、「遺言書作成・相続手続きサポート」宮城県名取市まさる行政書士事務所 菅野勝(かんのまさる)です。
今回は、【遺言書の書き方講座 将来の状況変化編 vol.2】として、『遺言書を書く時必要な老後の暮らしに関するチェック』をご案内します。
遺言書を作成する皆様共通のメリット・理由は、相続開始時に面倒な遺産分割協議書が不要となり、相続手続きを円滑に進められることです。
遺言を作成しようと思った時に知っておきたいチェックポイントを解説します。
介護が必要となった場合の住まい・施設の選択
自宅でヘルパー等を活用して介護を受けて生活するか、有料老人ホームに費用をかけて入居するのか、現在の住居の権利形態と、必要な費用(入居一時金、毎月の使用料)等で、多くの場合が考えられますが、老後の生活の経済面で大きな割合を占める住居の選択により、この段階で資産の構成が大きく変動し、遺言しようとしていた内容が実現不能になることもあります。
遺言の内容を検討する際は、こういった将来の変化を予想し、備えなければなりません。
住まい・施設の特徴から必要な資金等を見積もり、それを前提に相続開始時の財産を推定するようにします。
有料施設についての費用の準備状況
どのような住まい・施設等を利用するときも、一定の費用がかかります。
入居に際して必要な一時金の準備があれば毎月の費用は抑えられますが、それでも公的年金のみでは若干不足するケースが多いと思われます。
将来暮らす予定の住まい・施設にかかる費用を現実に見積もり、持っている資産からそれをどのようにまかなうかの方針を決めておく必要があります。
自宅介護の場合の家族等の受入れ体制
介護労働の肉体的・精神的負担は大きく、精神的負担などは家族であるゆえにかえって過酷であるといえます。
しかし、このような介護負担については、寄与分としてはあまり大きく評価されないのが現実です。
介護に従事してくれた相続人に相応の配慮を見せる意向がある場合、遺言に盛り込みます。
財産管理等の援助の準備状況
高齢者に必要なのは、身体的介護等の物理的援助だけではありません。
任意後見・成年後見・保佐・補助等の、財産管理の援助も必要になります。
特定の資産を特定の相続人に必ず相続させたい意向を持っている場合などは、その意向を後見人等になる人に伝えておかないと、その資産を処分してしまい、遺言が実現できなくなるおそれがあります。
遺言内容の開示は相続開始後に限るべき場合は、遺言自体に対象遺産が処分された場合への対処を盛り込むようにします。
今回は、以上となります。