「特定の兄弟姉妹に多くの財産を残したい方」のための遺言書の書き方

菅野勝

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テーマ:遺言書作成

「特定の兄弟姉妹に多くの財産を残したい方」のための遺言書の書



 こんにちは、「遺言書作成・相続手続きサポート」宮城県名取市まさる行政書士事務所 菅野勝(かんのまさる)です。

 今回は、【遺言書の書き方講座 家族編 vol.18】として、『「特定の兄弟姉妹に多くの財産を残したい方」のための遺言書の書き方』についてお伝えしたいと思います。

遺言書を作成する皆様共通のメリット・理由は、相続開始時に面倒な遺産分割協議書が不要となり、相続手続きを円滑に進められることです。

 遺言を作成しようと思った時に知っておきたいチェックポイントを解説します。


特定の兄弟姉妹に特に残しておきたい財産の特定

 自分が亡くなった後、特定の兄弟姉妹(例えば、障がいを持っている兄弟姉妹)の生活を心配して、その兄弟姉妹に対して「特定の財産」や「法定相続分よりも多くの財産」を残したい場合には、どのような遺言に残したらよいのかを解説いたします。

 例えば、障がいを持って兄弟姉妹の居住用不動産など生活に必要不可欠な財産を残したい場合は、まず具体的に、どの財産を残したいのかを特定する必要があります。

条項例

第○条 遺言者は、遺言者の所有する次の土地及び建物を、妹A(昭和○年○月○日生、
    住所:○○県○○市○○町○○)に相続させる。
    1 土地の表示 (省略)
    2 建物の表示 (省略)


遺言書

特定の兄弟姉妹に法定相続分より多くの財産を残す場合の問題点と

 特定の兄弟姉妹に「法定相続分を超える財産」を残そうとする場合、他の兄弟姉妹には遺留分はありませんので、ここでは遺言者の「配偶者の遺留分」が問題となります。

 遺留分を侵害したときはには、配偶者から遺留分侵害額請求される可能性があります。

 その結果、その兄弟姉妹が相続人間のトラブルに巻き込まれ、かえって、その利益を損ねることが可能性としてはあります。

 「配偶者の遺留分」問題に対して考えられるトラブル回避方法としては、兄弟姉妹に法定相続分を超える財産を残すという遺言をする場合は、配偶者の遺留分を侵害しない程度に留めることです。

 配偶者の遺留分を侵害しなければ、兄弟姉妹がトラブルに巻き込まれる危険性は低くなります。

 もう一つのトラブル回避方法として、兄弟姉妹へ多くの財産を残すという遺言が配偶者の遺留分を侵害していた場合には、遺言者がどうして兄弟姉妹に多くの財産を残そうとしたのかを「付言事項」として遺言に記載することも有用です。

 遺言に遺言者の考えを明確に記載することにより、配偶者から兄弟姉妹への遺留分侵害額請求を行わないように説得する効果が期待できます。

付言事項文例

 弟二郎は、小さい頃から障害を持ち身体が弱く、私は弟二郎の将来をとても心配しています。
 弟二郎は、働くことが出来ないため、私は弟二郎のために家を残すことにしました。
 そのため、妻幸子の遺留分を侵害することになりますが、妻幸子には今後の生活を営むために十分ば預貯金をおこしておくので、私の心情を汲んで、弟二郎に対しては遺留分を請求しないようにしてください。


遺言書
 今回は、以上となります。

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菅野勝
専門家

菅野勝(行政書士)

まさる行政書士事務所

注文住宅の営業担当として31年間170棟の住まいづくりに携わって来ました。その豊富な経験、顧客対応力を生かし遺言相続、成年後見、外国人サポートを中心に相談者の暮らしに寄り添ったサポートを行います。

菅野勝プロは河北新報社が厳正なる審査をした登録専門家です

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