自社株を事業承継者である相続人へ引き継ぐ際の注意点
「有能な社員へ遺贈を考えている方」のための遺言書の書き方
こんにちは、「遺言書作成・相続手続きサポート」宮城県名取市まさる行政書士事務所 菅野勝(かんのまさる)です。
今回は、【遺言書の書き方講座 仕事編 vol.4】として、『「有能な社員へ遺贈を考えている方」のための遺言書の書き方』をご案内します。
遺言書を作成する皆様共通のメリット・理由は、相続開始時に面倒な遺産分割協議書が不要となり、相続手続きを円滑に進められることです。
遺言を作成しようと思った時に知っておきたいチェックポイントを解説します。
株式の遺贈
会社経営を行っている場合、長年にわたって会社に貢献した社員等へ遺贈を検討することがあります。
保有する会社株式の遺贈は、会社株式を分散させることになるので、一般的に好ましいことではありません。
それでも会社株式の一部を社員に遺贈する場合、当該社員の相続人が会社株式を保有し続けることを想定するものではないと思われますので、相続人等に対する売渡しの請求に関する定款の定め(会社法174)を設けることが検討されます。
また、遺言者より先に当該社員が死亡した場合の取扱いについても遺言で定めておくことが必要です。
なお、譲渡制限株式を特定遺贈する場合は会社の譲渡承認が必要となります。
経営承継円滑化法での遺留分特例が、平成28年度から親族外承継にも拡大されましたので、親族との事前合意による、生前贈与による対策も可能となっています。
金融資産の遺贈
金融資産は、特に預貯金を遺贈する場合には、株式分散や評価の問題が生じませんので遺贈に適しているといえます。
今回は、以上となります。